いつかのきみに ② (ページ41)

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あんなふうに色々言うときは、寂しがってるときだから。

愛おしむような、慈しむような慈愛に満ちた優しい目。
ジョンハニヒョンはたまに、こういう目をしてAを見つめることがある。蕩けそうなくらいに愛情深くて、穏やかで、可愛くて仕方ない、手放すなんて考えられないって感じの。

膝の上に乗せた本の表紙を、ヒョンが親指でそっと撫でる。

JH「だから、俺たちが守ってあげなきゃ死んじゃうよ」

VN「そんなに深刻な話？」

JH「ミンギュもそう思ってるからあんなことするんでしょ」

だからああやって、大切に大切に触れるんだよ。

ミンギュヒョンが頬杖をついて、Aを見つめるその顔も。
ヒョンの手が伸びた先で、割れ物に触れるみたいに優しく指先が動いているのも。少しだけ伸びた前髪を耳にかけてあげるその仕草も。

ソファの上からそれを見て、妙に納得したその瞬間に、隣に腰掛けたジョンハニヒョンが "ほらね" と此方を振り返る。

そうして今日このときに知ったことは、あの目をするのがジョンハニヒョンだけじゃなかったんだっていう、そんなことだった。

VN「守れるかな」

JH「13人もいるんだよ？ボノナ」

だから大丈夫だと微笑むその顔が、はっきりとそう言ったから。

ソファに深く深く身を沈ませて、遠くにある揺れる黒髪と綺麗な横顔を、静かに目の奥に焼き付けていた。
　
　
　
　
　
　