いつかのきみに ② (ページ40)

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手に取ったパーカーに袖を通しながら、よくわからない話をするから。
どういうことかと視線を投げかけたけど、頭を通そうとパーカーを被ってしまったせいで顔がよく見えなくなった。

その遠くでまた、ミンギュヒョンがAを見つめているのが見える。その向かいにある黒髪は動くこともなく、ただ従順に食事を続けたまま。

VN「…ん？」

JH「だから多分、苦手なんだよ。俺たちと同じ生活するの」

頭を通して裾を伸ばしたあと自分の隣に腰を下ろしたから、置いてあった本を手渡したら、礼を言う優しい声が返ってくる。

そうしてまた考えたけど、よくわからないままだった。何でもできてしまうあの人に、そもそも苦手なことなんてあるのか。

VN「…そうなの？」

JH「そう。だから、当たり前に食べるのも寝るのも、喜ぶのも悲しむのもぜんぶ下手なの」

Aを眺めながらそう言ったヒョンの言葉に、思わず首を傾げた。

やっぱりジョンハニヒョンは、Aのことを本気で猫か何かだと思っているんだと思う。
スンチョリヒョンもそういう節がある。エギやーってよく呼ぶから。
…いや、それを言うならシュアヒョンも似たようなものなのかもしれない。

VN「…一人で生きていけそうだけど、Aなら」

JH「あにあに、無理だよそんなの」

VN「そう？」

JH「そうそう」
　
　
　
　
　
　