いつかのきみに ② (ページ36)

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WZ「同じ曲100回踊ることになっても？」

　「うん」

WZ「喉潰れるまで歌うことになっても？」

　「うん」

WZ「…いつかステージ上で死ぬんじゃない」

　「ああ、そうかもね」

軽すぎるその返事に、思わず溜息が漏れ出た。呆れてものも言えない。

迷いのない真っ直ぐすぎるそれに、馬鹿だなと心から思う。
自分が持てるもの全部捧げようとするあたり、スニョンに似てきたような気もする。

Aも何も考えていないような馬鹿ではないだろうし、むしろ頭が良すぎるくらいなのに、時々こうやって馬鹿正直な台詞を平然とした顔をして言うことがあった。

そのくせやけに声ははっきりと響いていたものだし、言葉に迷いがひとつもなかったせいで、自分はとうとう何も言えなくなってしまったわけで。

想像したくもないけど、ああ、本当に。
重すぎるこれを手放したとき、
ここは一体どうなってしまうんだろう。自分も含めて。

　「安心してよ。ジフニを置いて死んだりしないから」

WZ「…あっそ」

見つめていたペットボトルを、靴の先でそっと突く。
その言葉だけは嘘じゃなければいいと、心の中でそう願った。
　
　
　
　
　
　