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いつの間に手を組んだのかと思うくらいには息がぴったりだった。ついにはシュアヒョンの言葉に乗っかって野次まで飛ばしてくるミンギュの声を聞いたとき、これは諦めたほうが早いと確信して肩を竦める。
ほんの一瞬、ちらりとAを見やった。窓際に腰を下ろしたAの黒い髪が、風に流されてふわりと揺らいで。
WN「ウジって寝起きのとき、一番にAのこと呼ぶんだよ」
きょとりと気の抜けた瞳と目が合う。
二人して不思議そうに顔を見合わせたあと、そうだっけ？なんて尋ねるミンギュと、よくわからないといったふうに首を振るシュアヒョンと。
でもまあ確かに、最近はというとAがジフニを起こす係みたいになっている部分もあったから、これに気づく人はあんまりはいなかったのかもしれない。
大抵はAに任せきりで、さっさと身支度を済ませにいくから。それか、ジフニみたいになかなか起きずにいるかのどちらかだと思う。多分。
自分がこれを知ったのもつい最近のことだし、その光景を目にしたのもちょうど今朝のことだった。
JS「起きてすぐ？」
MG「ハク〜って呼ぶの？」
WN「起きてすぐ "ハクや、歌って" って。手まで伸ばして」
MG「…ウジヒョンが？」
WN「そう。ウジが」
珍しいものでも見るような表情で聞いていたのに、自分が言葉を返したあと、ミンギュは何だか変な顔をしていた。
というか、あの顔は半分くらい信じていなかったんじゃないかとも思うけど。
例えるなら、砂糖の塊をそのまま丸呑みしたような顔。甘すぎて耐えられない、みたいなそんな感じ。
逆に、シュアヒョンは妙に納得したような顔で聞いていた。
知っていたとまでは言わなくても、そこまで驚きがないような感じ。
ああやっぱりって言いたげな顔で、小さく微笑むだけで何も言わなかった。
いつの間にやら撮影が始まっていたのか、カメラに映し出された短い髪と綺麗な横顔を見た瞬間、今朝の光景が頭の隅に浮かぶ。
布団に包まって蹲ったままのウジと、ベッドの傍で柔らかく歌を紡ぐAの、その二人の間を絡む手と手が繋ぎとめていたのを。
WN「ほら、あるじゃん。
MG「…それヒョンのパートじゃん」
WN「俺が書いたんじゃないよ」
微睡む朝へ自分だけに綴られた歌なんて、きっと夢の中にまで響いているに決まっているのだ。
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月1日 3時
