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嫉妬しちゃうからとか、僕を見てよとか。まっすぐに愛情表現をしそうなのはホシのほうで、ウジはそんなことを口にしたりはしないような気がする。
だけどそれでも、この曲の歌詞の多くはウジが綴った言葉で形づくられているわけで。
言うなれば、恋をしたウジの心の中はこんな感じなのかもしれない、なんて思ったりもしたから。
案外ストレートに好意をぶつけるタイプなのかもしれないって、Aに接する二人を見ていて少しだけ感じたことがあるから。実際にそうなのかどうかはわからないけど。
かと思えば、いきなり顔を上げたシュアヒョンが、神妙そうな顔で言葉を続ける。何事かとミンギュと二人で顔を見合わせた。
JS「…今、怖いこと思い出したんだけど」
MG「え、なに？」
JS「ウジが言ってたんだけどさ」
Aのこと見てたら思いついたのがマンセなんだって。
そう放たれた言葉の意味を理解するには十分な話だったと思う。
未だに歌い続ける廊下の声が右から左へと流されていくうちに、만세 のサビの歌詞だけがなぜかはっきりと鮮明に頭に浮かんでいた。
スングァニらしき声がその歌詞を歌っているのが廊下から聞こえてきた、このとき。
ふとそれに重なったのは、今朝、寝室から聞こえたAの優しい歌声だった。
WN「………あー」
MG「あーってなに、あーって」
WN「いや、ちょっと心当たりが」
JS「なに、心当たりって」
意図せず口からこぼれ落ちていたらしい自分の声を丁寧に拾い上げた二人が、両隣から肩をぽんと叩いてくる。
覗き込んでくるそれがどちらも似たような顔をしていたおかげで、ああ、企んでいるのは同じことだろうなと気づく。何やら楽しそうに口角が上がっているのを見て、どうしたものかと小首を傾げた。
これを二人に言ったことによってウジ本人にどういう影響が及ぶのか、いまいちよくわかっていなかったから。
WN「…言っていいかな、これ」
JS「そこまで言われたら気になるじゃん。ねえミンギュ」
MG「だよね、ヒョン」
WN「うわ。タチ悪いな」
JS「そっちは人聞きが悪い」
MG「そうだそうだ」
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月1日 3時
