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JN「…ハクみたいな犬、どこかにいるかな」
「いるかもね」
JN「…ウォヌみたいな猫は？」
「ああ、いそう」
JN「…スニョンみたいな…虎も？」
「ハムスターならいるんじゃない」
JN「…あと…」
ほとんど出任せに口を動かしながら思いつくままにぼんやりと言葉を並べてみるけど、下がる瞼と回らなくなる頭がやけに重くなってきた。
Aの肩に頭を預けて凭れかかった身体から、次第に力が抜けていく。沈み込むように体重を預けるけど、Aは動かないままでいる。
きっとこれは重要じゃないし、今するべき会話でもないから意識を手放そうと問題ないんだろうけど。
自分はこのなんでもない時間が好きだから、少し惜しいなと思った。
Aは絶対に、目を見て話を聞いていてくれるから。
相槌を打ってくれるから。くっつくと、体温が高くて温かいから。
瞬く瞳の奥の向日葵が、優しく触れてくれるから。
ああ、それと。あと、あとは。
「おやすみ、ジュナ」
宙に浮かぶ柔らかくて綺麗な声と、握り直す指先の温もりに触れたあと、途端に意識を手放した。
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WN「お互いの匂いを好きなのって、遺伝子の相性が良いらしいよ」
JS「ん？なに？」
WN「ほら、あれ」
冷蔵庫から飲み物を取り出すウォヌから、いきなりよくわからない話を投げかけられたものだから、何事かと思ったら。
あれ、って指をさした先。
視線を寄越すと、身体を寄せ合ってソファの上で眠りについたジュニとAの姿。
JS「…同じ猫だからじゃない？」
WN「ああ、たしかに」
ぱたりと冷蔵庫の扉が閉められる音を聞いた。
そこで揺れるよく似た長い尻尾は、ちょうどふたつ。
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月1日 3時
