With you. (ページ5)

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如何して｡

如何して私は､

忘れたいはずの音楽を聴いて

立ち止まっているのか｡

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街中の建物に映る映像は､

まさにテレビで見た彼らそのもの｡

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曲名は “ gr8est journey ” ｡

今まさに､

私が忘れたい曲｡

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その筈なのに､

私はそれを見上げて立ち止まっている｡

惹き込まれていく｡

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彼らが音楽を楽しむ姿に｡

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その時だった｡

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「すみません､あの … 」

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突然声を掛けられ､

ビクッと肩を震わせ､

声のする方へ視線をうつした｡

『なんですか … ？』

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振り向いた時に見えたその人の顔は､

マスクを顎までずらしている …

あの､黄色の彼｡

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「えっ待って … ！？

もしかして､ Aさんですか！？」

『え､そ､そうですけど … 』

「本物だ … ！！

“ With you. ” いつも聞いてます！」

『あ､ありがとうございます … 』

音楽は辞めたんです｡

その曲ももう忘れたいんです｡

そんなこと到底言えるはずがなかった｡

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私に話しかける彼の目が

輝いて見えたから｡

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