寂しがりやの黒猫くん

その頃の2人… ページ10

「さーって、私たちも遊びまくるわよ!」



高校生になって初日。


私、柴田 那月は学校帰りに、高校に入って出来た、最初の友人たちとゲームセンターに遊びに来た。


外見がちょっとだけ、派手めな私はよく見た目で勘違いされやすいけど、派手なのは見た目だけで…中身はどこにでもいる、普通の女の子と同じ。



「柴田さん、元気なのは良いけど…ちょっと静かに。」



「…あ、ご、ごめんごめん。」



苦笑いを浮かべ、唇に人差し指を立てながら注意をするのは、雲井 瑠可君。


サラサラの黒髪に、真っ白な肌と切れ長の目…まるで王子様みたいな美少年。


黒縁の眼鏡が、真面目そうな雰囲気を醸し出していたけど、話してみたら意外と明るい人だった。



「ってか、苗字で呼ばなくて良いよ?せっかく仲良くなれそうなんだからさ。」



…あ、これもうしくじった。


陽奈子は快く、名前呼びを了承してくれたけど彼もそうとは限らない。



「ご、ごめっーん!いきなり馴れ馴れしくしちゃって。」



私は明るく笑い、誤魔化せば「このゲームやろう!」と、相手の手を引く。



「………。」



雲井君は何も言わない。


どうしよう…さっきの言葉で、強引な女とか思われて、引かれちゃったかな…?

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