May peace be with you.【特撮】

狂愛：門矢士[リクエスト] ページ39

士に閉じ込められてどれぐらい経っただろうか。
１ヶ月？それとも3ヶ月？
もっとかもしれない。

とっくに数えるのなんてやめた。



「A、おはよう」
「おはよう…」



今日も食事を持って入ってくる。
私は両手を縛られている為、食事は士が食べさせてくれる。

見事に嫌いな物は何も無いのはありがたい。



「士、何で私の嫌いな物は無いの？」
「お前が嫌っている物を入れるほど酷い奴では無い」



酷い奴では無い、か。

確かにそうかもしれない。
だったら、私の望みを叶えてくれるだろうか。



「酷い奴じゃないんだったらさ、此処から出してよ」
「……何を言っている。外は危険だ。男が彷徨いているんだぞ。お前みたいに魅力的な奴はすぐに喰われる。」



何時もより低い声で言う士は少し怒って見える。

それにしても心配しすぎだろう。自分の身は自分で守れるし、いざとなったら警察を頼ればいい。



「心配しすぎだよ！私は大丈夫だから此処から出して！！」



出たいという想いのまま声を出した。

お願いだ。此処から出してくれないだろうか。



「ダメだ。お前を守れるのは俺しか居ない。分かってくれるだろ？そうで無いと、俺はお前を殺してしまうかもしれない」



首に手を当てられ力を入れられる。
息が出来ない。

くるしい。いやだ。やめて。



「…つ、かさ、っ…」
「分かってくれるのか？」
「う…ん…」



やっと。

やっと呼吸が出来る。
急に息を吸ったからか、咳が出る。喉が痛い。



「お前だけが俺を理解してくれる。そして、お前を理解出来るのも俺だけだ」



先程とは違う優しい声で言われ、抱きしめられる。

暖かく感じるのが気持ち悪い。



「一生傍に居てやる」



私はこの男から逃げられない様だ。

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