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「何がだ…?」
目を見開き、動揺する蓮二くんを初めて見た。
何故だかとてつもない寂しさに襲われてその場から逃げ出した。
私はとても怖くなった。
もしかしたら別れようとしたのかもしれない。
別れる理由がないから作ろうと、あんなこと言ったんだ。
「ぅぇ…っ、」
我ながら酷い泣き方だと思う。
蓮二くんから逃げ出したものの行く宛はない。
咄嗟に学生の逃げ道、保健室へと駆け込んだ。
到着した時。
既に号泣した状態で現れた私の異常さに配慮してくれたのか、保健室の先生は直ぐに早退させてくれた。
親にも先生にも友達にも心配されたが、「平気だよ。」と口にすると本当に大丈夫な気がしてきた。
少しばかり我慢をしすぎたのかもしれない。
今日は限界が来て、爆発してしまったようだ。
家に帰ってからは出来る限りぼんやりと過した。
お母さんも気遣ってくれた。
それが妙な安心感を与えている。
深く眠りにつく前に「蓮二くん、追いかけてこなかったなぁ。それにしても連絡ぐらいくれても良くないか…?」と冷静になれるまで回復していた。
まぁ、今更期待はしないけどね。
明日は謝ろう。
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作者名:さたらま | 作成日時:2022年2月4日 2時