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そして普通に始まった授業。

1時間目は英語だ。



朝から苦手な教科を受けるのは気が乗らない。

だがやるべき事はやる。それが私だ。


立海大付属は私立なので、特に大きな受験は無い。

転校等の特別な事情がない限りは別の話だが。


その分、勉学内容は難しくなってくる。

正直公立が羨ましい。





そんなこんなで英語を終えると次は移動教室。

理科の実験。英語と理科と最悪の組み合わせだ。

誰だ時間割決めたやつ。


筆記用具や教科書を準備していると、友達が「早く行くよ」と呼びかけてきた。

「待って!」とドア付近にいる友達に声をかけながら小走りで向かう。

その様子を見かけた彼女は既に先を歩き始めていた。






「待っ…わ!」

「わっ。」







教室を出たタイミングで私は誰かとぶつかってしまった。

少しよろけてしまったが、衝撃で筆箱やらが散乱する。

ザーっと教科書が廊下を滑る音が響いた。


お互い謝りながら顔見合わせると、ぶつかった相手は柳生くんだった。

学年一のジェントルマンだと言われている人。






「これはこれは申し訳ありません…。お怪我は?」

「こっちもよく見てなかった。ごめんね。」






さりげなく気遣いもできて、尚且つ教科書も拾ってくれる。
さすが紳士。去る姿も爽やかだ。

付き合うならこんな優しさの……






「A、大丈夫?チャイム鳴っちゃうよ。」

「あ、ごめん今行く。」






私は今何を思いかけたんだ。

蓮二くんが優しくないって言ってるみたい。




同じテニス部だからって、性格も一緒なわけない。

そんなことは分かりきっているくせに、同い年の男の子の何気ない優しさに触れて、比べて、私は最低だ。

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設定タグ:テニスの王子様 , 柳蓮二 ,   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:さたらま | 作成日時:2022年2月4日 2時

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