王子様と恋愛するのは難しい。 (ページ13)

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次の日から、私たちの作戦は決行された。

あくまでもコレは怪しまれない程度にすることが目標なので、私はいつも通りに蓮二くんに挨拶をする。

今日は下駄箱で会えた。

「おはよう、蓮二くん。」

「おはよう。」

いつもの様に優しく返してくれる彼に思わず笑みが零れた。
そのまま並んで歩いていると蓮二くんは会話を続けた。

「昨日のことだが図書室で勉強するのはどうだろう。」

「いいn＿＿、」「いいですねぇ。」

蓮二くんの提案に間髪入れず返事したのは私では無く、柳生くんだ。

後ろから張りのある声が響く。

眼鏡を反射させながら彼は続けた。

「もうすぐテストですから、部活も休みになるでしょう。よければ私も加わっても？」

ずずいっ
と話を進めていく柳生くんに蓮二くんが吃る。

急に現れた柳生くんに驚いているようだ。

しばらくすると彼は冷静さを保って返答した。

「良いだろう。」

「うん、頼りがあるよ！」

私は若干褒めるように相槌を打った。

「ほんなら俺もええかのぅ。」

のらりくらりと柳生くんの後ろから入ってきたのは仁王だ。今までの話を聞いていたのかな。

蓮二くんをチラリと見ると「あぁ、勿論だ。」と答えていた。

少し嫉妬してくれ、と願いながら

「二人とも頭良いから助かるよ。」

とまた、褒めた。

だけど本命の彼は効果が無いようで

「真面目に取り組んでくれよ。」

と少し笑いながら教室へと入って行く。

取り残された私たちは

「効き目なし。」

と口を揃えて肩をガックリと落とした。

「彼女との時間を邪魔されるというのに…。」

「なんて余裕なんじゃ…。」

ペテン師達はため息をついていた。