王子様と恋愛するのは難しい。 (ページ12)

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あの後、2人は小走りで部活へと向かった。

詳しいことはまた後で連絡するらしい。

ようやく1人になった私は思わず溜め息をついた。

深い深い溜め息。

「はぁぁぁ〜〜。」

さっきまでは調子こいて作戦に乗っていたが、何だか蓮二くんに申し訳ないと思う。

まぁ正直、嫉妬させてみたいというのはある。

ただ2人の言うように、本当に私のことが好きならば、という前提で立証されるこの実験。

いくらペテン師だろうが紳士だろうがあのマスター気質のデータマンには及ばないと思うんだが。

私の見込みとしては仕掛けてすぐ、私たちの企みに気づくだろう。

幸先の悪いスタートとなったその日の晩。

さっそく某SNSツールのグループが出来上がっていた。

グループ名は〖 Aを応援する会〗

こんなのもし見られたら100％バレるに決まっている。

でも何かの波乱が起こりそうでわくわくしてきた。

あぁ、乙女の情緒は不安定。

と、嘆いていると1件の通知が届いた。

仁王〈作戦その1
柳の前で俺らと仲良くすること。〉

柳生〈もし彼が会話に入ってきたらあまり視線を送らないようにして下さい。〉

一緒にいるの？というシンクロぶり。

さすがダブルスを組むだけのことはある。

了解と打ち込んだところで、タイミングよく届いた蓮二くんからのメッセージがスクロールに表示される。

柳〈今日はあまり話せなくてすまなかった。〉

柳〈ところでもうすぐテスト期間に入るが勉強はしているか？Aは英語が苦手だったな。〉

柳〈良ければ力を貸そう。〉

私の為に時間を割いてくれる彼の何処が優しくないのだろう。

夜ということもあってか切ない気持ちが押し寄せる。

ごめんね、蓮二くん。

そう思いながら、仁王達に「了解」を送信した。