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機嫌が治らないまま迎えた翌朝。
どうやっても気持ちが晴れることは無く私は重い足取りで学校に向かった。
正門辺りに近づくと見覚えのある後ろ姿が見えた。
蓮二くんだ。
「おはよう蓮二くん。」
思わず後ろから話しかけた。
こんな状況下でも好きな人の顔を見ると落ち着くものである。いつもなら居ないのに会えるなんて嬉しいな。
もやもやしていたことも忘れて私は挨拶をした。
すると彼は微笑みながら「おはよう」と言ったあとに続けた。
「昨日、テニスコート付近に居ただろう。
俺のことを待っていたのか?」
モヤモヤの核心をつかれた私はつい黙ってしまった。
気づいていたの?ならちょっとでも……。
と、喉にでかかったが彼は時期に大会を控えている。面倒臭い女にはなりたくないので無かったことにしようか。
と色んな感情と言葉を飲み込んだ。
「ううん。」
否定すると蓮二くんは少し驚いた表情を見せた。
「では俺の見間違いか?」
「いや、コートには居たよ。でも蓮二くんに用があったわけじゃ無いの。」
そう言うと、彼は納得したのか そうか。 と呟き部室に忘れ物をしたから、と去って行った。
私がいたこと知っていたんだね。
嬉しいのに寂しさが勝ってるのは、彼のことが大好きだからだ。
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作者名:さたらま | 作成日時:2022年2月4日 2時