Endless∞violence (ページ4)

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その日、特に大きなミスもなく、楽しんでコンサートを出来た。

ただ一部、すばるくんとのペア曲。

私は歌が上手いことを買われていたから、メインボーカルを任せられることもあった。

そんな私がすばるくんと歌えるっていうのはすごく嬉しいことで。

渋谷「無理したらあかんからな」

「うん。ありがとう。」

しかもこの曲は、ありがとうの思いをそれぞれ大切な人に伝える曲。

私の頭の中に、母の顔がちらついた。

歌い出しは私。

キラキラと光るライトがひとつだけ、暗闇の中に私のことを照らし出す。

滑らかに声が腹、喉、口を通って空気に混ざっていく。

そしてすばるくんの番。

やっぱり、すごく上手で、ふふって笑ってしまった。

そっから、エイターのみんなの上を通っていくステージで歌うんだけど。

「ありが…う。大好…っ今までっっ…これからもっ」

すばるくんにハモリをしていかなきゃいけないのに、目の前が歪んで声もうまくでない。

ファンのみんなの顔が心配そうに私を見てる。

笑わなきゃ！だめや！笑え！

涙を拭き取ってニカって笑った。

のに、すばるくんが近づいてきて、私の肩を抱いてくれたおかげで。

少しマイクに入ってしまう声で、

渋谷「無理せんでええから」

って言われて、

私の涙は止まらなくなった。

歌は上手いことをそこで終わって、

まるでこれが演出だったかのようにスッとライトが落ちた。

渋谷「無理したらあかんやろ？」

「ごめっ…泣かないって決めてたんやけどな」

渋谷「謝らんでええって、俺やったらAみたいに強くないから出来ひんもん」

その後に、「よう頑張ったな」

肩を叩いて言ってくれた。

そして舞台裏にはけると、順番とは違うマルちゃんとヤスの曲が始まった。

錦戸「A、メイク直して来てええで？マルとヤスが時間稼いでくれるみたいやから」

「そうなんだ…ごめんね？ありがとう」

錦戸「ええって！気にすんなや！」

照れ臭そうに鼻をかきながらそう言ってくれる亮ちゃん。

周りのスタッフの方々も、曲順が少し変わったので慌てている。

ほんと申し訳ない。

「ありがとう…！」

もう一回、噛みしめるように言った。

そのあとは完璧で、メンバーのみんなも気遣ってくれていた。

こうしてライブは終わった。