検索窓
今日:2 hit、昨日:38 hit、合計:79,181 hit

- ページ19

自室へ戻ると、思いもよらぬ人物がそこにはいた。

「な、何してるの?ここ私の部屋なんだけど・・・?」

「それは知ってる。知った上でここにいるのだ。」

「意味が分からないんだけど。それで私に何か用?“久々知兵助”君。」

そう、私の部屋にいたのは今日の朝、池田君に手裏剣を打ってきた久々知君だった。

「その・・・悪かった・・・」

「何が?」

「今日の朝、池田に手裏剣を打ったことと、お前に怪我をさせてしまったこと・・・」

「別に私のことはいいよ。そんな酷い怪我じゃなかったし。それより池田君には謝ったの?」

「うっ、それは・・・」

「謝ってないんだ。」

「・・・池田とはもう随分話をしていないんだ。」

「それはどうして?」

「もう察しがついているとは思うが、前の天女のせいで色々あってさ・・・話、聞いてくれるか?」

「もちろん。」

すると久々知君はポツポツと話し始めた。

「池田とは委員会が同じで、仲は良かったと思う。少なくとも今みたいに池田なんて呼び方じゃなくて、三郎次って呼んでた。俺は天女が来てから、おかしくなってしまった。天女にずっとそばにいろと言われて、委員会も授業も行かなくなった。頭では駄目だって分かっていたんだけど、体が言うことを聞かなくてさ・・・ある日そんな俺のところに池田がやって来て、委員会に来てほしいと言ってきたんだ。もちろん俺は行こうとした。だけどやっぱり体は動かなくて・・・その光景を見ていた天女が俺に言ってきたんだ。池田を殺せって。俺は天女の声を聞いた瞬間、池田に苦無を向けていた。そしてその苦無で池田の腹を刺してしまったんだ。幸いなことに土井先生が通りかかって、池田は一命を取り留めた。池田が助かったのは土井先生の適切な判断のおかげだ。それで天女が天に還った後、何度も池田に謝ろうとした。だけど池田は俺が言葉を発する前に逃げてしまう。俺がしたことは最低だ。それでもやっぱり、池田とまた前みたいに話したいんだよ。不知火、俺はどうしたらいいと思う?」

-→←〃



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
46人がお気に入り
設定タグ:忍たま乱太郎 , 天女 , シリアス   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。