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また嫌なことを思い出してしまった。

私は気分転換しようと部屋の外に出た。
外を少し歩けば、きっと落ち着くはず。

そして歩き始めてすぐのこと。
少し離れた場所に人影が見えた。

暗くてよく見えない。
私はその人影にそっと近づいた。

「ッツ、誰だっ!?」

「し、潮江君?」

なんとその人影は潮江君だった。
私は潮江君を見た途端、安心して泣いてしまった。

「不知火じゃないか?ど、どうしたんだ?何故、泣いている?」

潮江君の顔は暗くてよく見えないが、心配してくれていることが声で分かる。

私は潮江君に抱きついた。
そんな私を潮江君も優しく抱き締め返してくれた。

「何かあったか?」

「今は何も聞かないで。」

「・・・分かった。」

私は先程よりも更に力強く潮江君を抱きしめた。

「今日は随分甘えただな。」

潮江君の低く優しい声。
私は彼の声が好きだ。
聞いているだけでとても落ち着く。

「ねぇ、潮江君。」

「なんだ?」

「ずっと一緒にいて。」

そう潮江君に告げた瞬間、唇に何か柔らかいものが触れたのを感じた。

私はすぐにそれが何なのか理解した。

「んっ…」

何度も重ねられる唇。

「ふっ…っつ…ん…」

潮江君の激しい口付けは一向に終わらない。
私は次第に頭が真っ白になり、立っていられなくなった。膝から崩れ落ちそうになる私を潮江君はまだだというかのように、私を自分の方へ引き寄せ離してはくれなかった。

語り/潮江文次郎→←-



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設定タグ:忍たま乱太郎 , 天女 , シリアス   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時

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