〜４５〜 ページ45
「･････今日の話ってさ」
緊張をほぐすため、はぁっと息を吐く。
「二日前のこと？それとも全然関係ない話？」
『あのことじゃないけど、関係ない話でもない････かな』
「･････智くんは知ってんの？」
『内容は知ってるけど、今日話すってことは知らないと思う』
「･･･もし俺の予想が当たってたら････お前、もう戻れないよ？」
『･･･え？』
「いや、やっぱいい」
『待って！気になる！』
「･･･続きは店に着いてからな」
Aが「気になるって！」と色々聞いてきたが答えなかった。
Aは今日、俺に告白する。
これは自惚れとか自意識過剰とかじゃない。今まで飽きるほど見てきた顔と一緒だから。
おそらく、俺に振られる覚悟で来てるんだろう。
でも俺は振るつもりなんてないし、Aを離す気もない。
智くんには絶対やらない。
だから戻れないって言ったんだ。
「おい、ぼーっとすんな。もうちょい早く歩けよ」
『ちょっ、ま、待って！』
.
.
「いらっしゃいませ！何名様ですか？」
「二人です」
「二名様ですね！こちらのお席にどうぞ！」
席に着くなり、Aは「ここって･･･」と目を丸くした。
『居酒屋･･･』
「レストランでもいいかと思ったけど、どうせ余計に話しづらくなるだろ。なら居酒屋とか慣れた場所のほうがいいと思ったんだけど」
『あ、ありがとう･･･』
Aのため、なんて言ってるが実際は俺が緊張し過ぎて嫌だったからだ。
居酒屋のほうが気が楽だし。
俺は定員に適当に注文してから彼女の目をじっと見つめた。
「智くんには何て言ってきた？」
『友達と食べに行くって。････っていうか今は智関係ないでしょ』
「･･･そうだな」
いつも「智」「智」って言ってるAが「智は関係ない」って言った事実が嬉しくて頬が緩む。
ちょっとずつ変わってんのかもな。
いつかは俺だけを見てくれる日も･･･って、それは気が早いか。
『何で嬉しそうなの･･･』
「どっかの誰かさんが「智」「智」って言わなくなったから。成長感じてる」
『そんなに言ってない！』
「いーや、言ってる。今度ニノ達に聞いてみたら？」
『そんなこと･･･ない、はず････』
「そこは言い切れよー」
やっぱりAをからかうのは楽しい。
ちょっとくらいならいいだろ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 309人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかづち
| 作成日時：2020年5月14日 13時
