〜３０〜 ページ30
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ということでよろしいでしょうか」
「はい！」
俺が微笑みかければ顔を真っ赤にして頷く奥さん。
ん〜、やりずらい。
契約のためとはいえ、こうも行為を寄せられるとめんどくさい。
微笑みかけんのも疲れてきたし。
っていうか旦那が嫌そうな顔してんぞ。いいのか。
「また後日ということで･･･それでは失礼いたします」
「は〜い♡」
語尾にハートついてそうだな。
最後まで旦那が睨んできてたの本当勘弁してくれ。巻き込むな。
はぁ。とため息を零しながら眼鏡を取る。
といっても伊達だけど。
ほら、眼鏡かけてるほうが真面目で誠実そうだろ？
そのほうが好印象を持たれることがあるから常備してる。
「翔ちゃ〜ん！！」
「うおっ！？」
後ろから突然抱き着かれ、前のめりになる。
聞き覚えのある声に嫌な予感を抱きながら振り返るとそこにいたのは、
「･････相葉くん」
予想通り、相葉くんだった。
「俺もいますよ」
「ニノもかよ･･･っていうか離れろ、暑い！」
「ごめんごめん！」
相葉くんが離れたところで、ニノが話を切り出す。
どうやら、今から人事部のメンバーでご飯を食べに行くらしい。
･････Aもいんのかな。
「ねぇニノ！せっかくだし、松潤にも連絡入れとくね！」
「よろしくー。じゃあ俺達は先に行きましょうか」
「おー」
Aがいる････ってことは智くんもいるよなぁ。
別に嫌ってわけじゃないけど。
二人のイチャコラを見るのは気分が悪い。
って、分かってるのに行こうとしてる自分はなんなんだ。
だから中学生かよって。
「そういえば翔さん、眼鏡外しといてね。店に行ってつけないように」
「え？何で？」
「みつきさんが「気になるから外して」って言ってたの」
まぁ一応伝えとこうと思って。とニヤニヤするニノ。
･･････いや、そんなこと言われたら
「んじゃ外さねー」
外すわけねぇじゃん。
「ですよねー。あの人も馬鹿だよな」
「おい、人の女を馬鹿呼ばわりすんな」
「まだ翔さんのものじゃないでしょ。まぁ、時間の問題だと思うけど」
やっぱニノは分かってるんだな。
まぁ、そうか。そういうのに敏感だもんな。
「あと大ちゃんと喧嘩しないようにしてよ？Aさんはともかく、店の子が困るから」
「････善処する」
「善処ねぇ」
くすくすと笑うニノの足を「うっせぇ」と軽く蹴った。
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年5月14日 13時
