恋に落ちる音。【ＳＳ】 (ページ21)

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「来週末ぅ？」

「そっ！空いてる？」

「いや･･･まぁ、空いてるけど････」

相葉くんから突然の電話。

いきなり予定聞いてくるとかどうした？
しかも来週末って。

「良かったぁ。空いてないって言われたらどうしようかと思った！」

「だから何なんだよ？」

「なんとねー、来週末にAちゃんが映画見に行くんだって！」

「え？Aが？」

と言っても、それを俺に言ってどうするのか。

「で、大ちゃんを誘ってたんだけど、」

「は？」

「わーっ！翔ちゃん落ち着いて！怒らないで！話は最後まで聞こ？ねっ！？」

わざわざ二人が映画に行くことを報告してくるなんて、良い趣味してんな。

なんて言いたくなったが、相葉くんの慌てっぷりにそれを呑み込んだ。

代わりに出たのはため息。

「そんなこと聞かされても、「そうか」としか言えないんだけど？」

「違う違う！実は････大ちゃん、用事入ってたみたいで断ってたんだよね」

「え？マジ？」

「ホントホント！で！彼女持ちの俺やニノも誘えないって言ってたし、潤ちゃんは誘いにくいって感じだったから･･･翔ちゃんとかどうかなって！」

「どうかなって何？Aと映画行けるってこと？」

「そゆこと！ちょうど恋愛ものだし、良い雰囲気になるんじゃないっ？」

楽しそうに話す相葉くんに感謝しながらも、ちょっとした疑問を持つ。

「それはありがとうなんだけどさ、お前何で俺がAのこと好きなの知ってんの？」

「え？潤ちゃんが言ってたよ？」

「････････」

あいつ口軽すぎだろ。

まぁ、相葉くんやニノにだったら言っても大丈夫だって思ったんだろうな。

確かに言いふらしたりはしないだろうけど。

けど明日会社に言ったら説教するからな。

「Aちゃんには翔ちゃん、ってことは伝えないでおくからね」

「あー、助かるわ。事前に知ったらキャンセルされそう」

「え？翔ちゃんってエスパー？」

「あいつが分かりやすいだけ」

「あ、でも別に嫌われてるとかそんなんじゃ････」

「それも分かってる。照れてるだけだろ」

「･････翔ちゃん、凄いね！？」

「･･･まぁな」

アプローチしてた時も、なんだかんだで恥ずかしがってたし。

多分慣れてないせいもあるんだろう。

･････それでも、避けるような態度はちょっと傷付くけど。

「はぁ････」

Aを振り向かせるのは、ちょっと難しそうだ。