〜１６〜 ページ16
『････あっはっは！』
「！？」
突然笑い出したA。
思わず不審な目で見てしまった。
『ないない！よく言われるけど、智が私のこと好きとかないから！』
「はぁ？何でお前がそんなこと言えんの」
『さっきから「こいつ」だの「お前」だの酷くない？まぁいいけど････。智は絶対に嘘つかないからね。大体智はね、嘘つくと鼻がピクピク動くんだからすぐ分かるよ』
「細かいとこ見てんなぁ」
『嘘つく時はマスクしたほうがいいよ』
何でも知ってる、みたいな態度に、イライラが募る。
大野さんも大野さんで、満更でもなさそうだし？
････････くそ。
「あらら、翔くん拗ねちゃった」
くすくすと笑う潤を睨む。
結局、俺は大野さん達と話すことになった。
肝心のAは潤と話すようだった。
っていうのも、潤が希望したからだけど。
余計なこと話さないだろうな････。
少し二人を意識しながらも、目の前のラスボスの様子を探る。
大野さんのあだ名それでいいだろ。
「櫻井くんって、間近で見ると写真よりもずっとイケメンだねぇ」
「え？そ、そうですか？」
突然褒められ、柄にもなく動揺してしまう。
まずい。思ったより手強いぞ。
「そういう大野さんだってイケメンじゃないですか。営業部の女子達が騒いでいましたよ」
「そうなの？嬉しいな」
「････････」
･･････マジで調子狂うな、この人。
.
.
.
結果。
俺と智くんは打ち解けた。
いや、自分でもビックリしてる。
あんなにライバルとかラスボスとか言ってたのに？って。
でも話してみたらめちゃくちゃ面白くて。
こんなに話してて楽しいって思ったのはニノ達以来だった。
「････あ、」
ふと視界の端に映る二人。
･･････距離近くねぇ？
潤の表情からして、あまり良い雰囲気ではないんだろうけど。
それでもやっぱり気になってしまう。
「なぁニノ、あの二人の様子探ってきてくんねぇ？」
「え？何で？」
「････近すぎる」
「･･････はいはい。了解」
こういう時、深く聞いてこないニノに感謝する。
相葉くんとかだったら分かるまで聞いてきそうだからな。
と、智くんが不思議そうな顔をした。
「どうかした？」
「ああいや、なんでもない」
気を緩ませるな、櫻井翔。
仲良くなったとはいえ、油断してはいけない。
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年5月14日 13時
