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春の風が心地よく吹き、空は澄み渡っている、そんな日だった。僕は、真新しく、少し身の丈より大きいサイズの制服を着て新生活に期待を寄せて入学式に向かった。3つの小学校から集まる生徒たちは想像していたよりも遥かに多く、見慣れた友達を探すのも大変だった。
明人「おー！涼太やん！ほんまこの中から探すの大変すぎるやろ、これだけで疲れるわ。それなのにこっから校長の長い話聞かなかんのやろ？もー無理や俺」
最初に声をかけてきたのは小学校から仲が良かった前田明人だった。明人は小学校のとき、クラスの女子の半分以上好きになる、そんな存在だった。
「いや、早すぎやろ。ほんまに明人って顔だけはいいのになー、そのだるそうにする態度だけ治したらほんまにええ男なのに」
明人「あほか。お前になんでそんなこと言われなかんねん」
明人と会話する時間が何だか懐かしくていつの間にかどこかで抱えていた緊張を忘れることが出来ていた。
長い列から抜け、学校の壁に張り出されたクラス分けの紙を見て、
明人「お！涼太！同じやで！これで俺のテストと課題は安泰や〜」
「俺手伝わへんよ？絶対に。明人覚え悪いし教えても覚えてないやん」
明人「そう言わんと、な？」
巫山戯ている明人を横目に、僕たちは指定されたクラスに向かった。クラスの扉を開けると、窓から強い風が吹いた。その風で満開に咲いた桜の花びらが教室に舞い込んだきた。
「綺麗だ」
僕は窓側に座っている女の子の髪が風に吹かれ、桜の花びらその子の周りに舞っているのがスローモーションのように見え、釘付けになってしまった。
明人「うわ、最悪やん。髪の毛セットしたのにもう崩れたやん。って、涼太？」
「ん？あー、ごめん。聞いてなかったわ」
座席表を確認して自分の番号の席に座った。僕の席は彼女の席の横の列の1番後ろ。彼女の後ろ姿がよく見える。
担任「今日からあなた達を担当します、島田由香です。
新入生のみんな！入学おめでとう。新しい生活でたくさん不安なこともあると思う、けど実は私も今年から先生です。みんなと一緒に成長するのでよろしくお願いします！じゃあ早速、1番の子から自己紹介！」
1番「初めまして、...」
1番から順に自己紹介が終わり、ついに彼女の番がやってきた。
A「初めまして、今井Aです。今年からこっちに越してきて友達が全然居ないので仲良くしてください。」
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作者名：もえ | 作成日時：2022年3月15日 11時
