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噂の転校生(4) ページ8

帰り道

『伝説の男探すって言ったって、どうやって探すの?』

「とりあえず、学校のなかでの美しい男をしらみ潰しに探す」

『なるほどなぁ……、まあそんくらいなら私でも分かるかな』

私がそう言うとハルヤはいきなり黙り込んで少し考え始めた。

『なんか気になることあった?』

「いや、今日たべたからあげだが…、その……」

『わかったよ!また食べたいんでしょ?作ってきてあげる!!!』

顔を覗き込むと、少しハルヤの顔が赤くなっているのがわかった。

(そんな恥ずかしがらなくていいのに)

『んじゃ!私ここだから!』

私がそう言って大きく手を振るとハルヤもしぶしぶだが手を振り返してくれた。

(あの伝説の酒呑童子っていがいとからみやすいのかも)





「さむっ!」

まだ夏の暑さが少し残ってはいるが、夜のおおもり神社は寒かった。
上着、持ってくればよかったなぁ。

私はヨロズマートで買ってきたアイスを大きな口を開けてたべた。
寒い中でもアイスって意外といけるもんだ。

「そんな大きく口を開けて、顎が外れても知らないぞ」

『うっ……、いるなら早く言ってよおおお!?』

振り向くとそこには蛇王もとい大王となったカイラがいた。

私はカイラの目を気にしてちまちまとアイスを食べた。

『てかなんでここ知ってんの……』

「エンマに聞いた。アイス、もう1つあるか?」

私は袋からアイスを出してカイラにわたした。

『今度カレー買ってくる』

「別にいい……。今日はAに協力して欲しいことがあってそれを伝えに来ただけだからな」

『なんだよ冷たいな……。んで、人間の私にも協力できることって何?』

「そう拗ねるな。酒呑童子って知ってるか」

その名前を聞いて思わずドキリとする。

『…知らない…かな』

とっさに嘘をついてしまった。

「そうか。いま人間界にいると聞いて探していたんだが……。人間に化けている可能性もあるし分かりにくいかもしれないが、見つけたら教えて欲しい」

『うん、分かった』

(私、今どんな顔してるんだろう)

友達になんて嘘をつきたくない。
ましてやカイラとは親友と呼べる仲だと思っていた。

カイラにハルヤの存在がバレたらどうなるか分からないし、どうしたらいいか分からないのがいまの本音だった。




カイラとも別れ、家に帰ろうとしたときふとケータイをみる。
ハルヤからだった。

『「弁当楽しみにしてる」って……』

(私、どっち選べばいいの?)

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聖樹 - すみません、トウマくんの一人称は「俺」ではなく「僕」です (2018年9月22日 22時) (レス) id: 9650bd625c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぬー | 作成日時:2018年9月11日 21時

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