6 ページ6
———
「今度、飲みに行こうよ」
その言葉はただの口先だけの挨拶みたいな、冗談だと思っていた。あの時の私は思考回路が停止していて、「ナヨンと一緒なら」とまた反射的に口走ってしまった。
NY「ヒョンジナから連絡が来たんだけど、今度4人で飲みに行こうだって」
「えっ」
あの日からまだ2日しか経っていないのに、彼の行動力には驚かされた。
「ナヨンこそ気をつけなよ」
NY「私思ったんだけど、ヒョンジナそんな人じゃないよ」
どういう心変わりかはわからないけど、ナヨンが彼のことを肯定し始めている。このひと月の間で何が起こったんだろう。
NY「ちょっと女の子にだらしないところも、多分それ理由があるんだよ」
いつにもなく真剣な眼差しだった。
「ナヨンがそれでいいなら、いいと思うけど」
本音だった。私には関係ない。
「ナヨンはヒョンジンさんこと好きなの?」
図星だったのか、驚いた顔をして、別にそういうわけじゃないともじもじする。ナヨンは完全に恋する女の子の顔で、ヒョンジンさんに声をかける時の姿は冗談抜きで女の子らしくて可愛かった。
素直に応援したいと思った。
NY「で、Aも飲みに行ってくれるよね？」
「チャニさんもいるんだよね？」
NY「うん、チャニにも連絡したよ」
飲み会自体に気は乗らないけど、この前の歓迎会みたいなことにはならなそうだと思って、頷く。
NY「それこそ今週末空いてる?」
「夕方まで作業があるけど、その後だったら」
NY「じゃあその日にしよう‼︎細かいのは私が決めておくからまた連絡するね」
そう言い残すと、私の言葉を待たずに次の講義に移動していった。
FL「Aさん！」
「あ、ヨンボクさん」
パソコンを閉じて学校を出ようとした時、後ろから声がかかって振り返ると、歓迎会ぶりに見る彼の姿があった。
FL「ヨンボクさんなんてやめてくださいよ呼び捨てていいです！」
「じゃあ、ヨンボギって呼ぶね」
FL「僕もヌナって呼んでいいですか？」
イタズラっぽく笑うその表情になんだかほっこりした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 673人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
🐣 - 24話目がただただ胸がキュッとなって…ピリペンの私には涙の回でしたㅜㅜ引き続き楽しみにしております！ (12月8日 6時) (
レス) @page24 id: ba7c22e5aa (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新お疲れ様です！本当に好きです登場人物からストーリーまで全部がすごく好きです！これからも応援してます！ (12月6日 19時) (レス) @page23 id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - とても読みやすくて何回も読み返してしまいました。こういうお話大好きです！更新楽しみにしてます。 (11月30日 0時) (レス) @page13 id: 62890fab6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：meru | 作成日時：2023年11月28日 10時
