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どれくらいの時間が経ったかはわからないが、教室が薄暗くなって電気をつけなければ手元がわからなくなるくらいになった。
それでも彼はまだキャンバスと睨めっこしているから、横にある小さな照明をつけて、パソコンの電源を落とす。
いつもと違う静かな空間で勉強したからから、思いのほか捗って明日締め切りのやつはなんとかなりそう。
目の前にある年季の入ったスケッチブックを開くと鉛筆で描かれた白と黒の絵がまるでそこで息をしているかのように閉じ込められていた。
ページを捲る手を白い大きな手が止める。
それに驚いてまっすぐ前を見ると、同じようにまっすぐな視線が私と交わる。
「終わったの？」
Hj「うん、今日はもう終わりにしようかなって」
ドキドキと音を立てる心臓を押さえつけるようにまだ冷えている飲み物を飲んだ。
Hj「片付けするから待ってて、一緒に帰ろう」
使っていた画材を持って立ち上がる背中を見送ると、またスケッチブックに視線を戻す。
これで絵が苦手なんてよく言えたものだと思う。
関心しながら、ページを捲る手は止まらない。
「ヒョンジンは人物を描かないの？」
洗い物をする大きな背中に問いかける。
彼の絵はめくってもめくっても物や植物、生き物、景色ばかりで人物は現れなかった。
Hj 「うん、記憶に残るからね」
蛇口から出る水の音が重なって、ヒョンジンの声は途切れてしまった。
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「そういえば、ナヨンがヒョンジンから返事が来ないって心配してたよ」
カバンを背負って、学校から出るともう日が沈んでいる頃だった。
Hj「この前会ったこと言わなかったの？」
「なんか、言っちゃまずい気がして」
意図的に返事してないのかなとか、考えた末に結局ナヨンには言えずに今日になった。
Hj「家こっち？」
「あ、いいよ1人で帰れる」
Hj「ダメ、暗くなるから」
行くよといつの間にか握られた手が熱くなる。
Hj「ねぇ、連絡先教えてくれない？」
脳裏によぎるナヨンの顔と、今の状態の焦りが混ざって彼と関わるのを必死にやめようと思った。
「いや」
誰かに見られたらどうしようという焦りと、胸の高鳴りが混ざってなるべく前を向かないように下を向く。
それは家に着くまで続いて、なんなら家に入ってからもしばらくそうだった。
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🐣 - 24話目がただただ胸がキュッとなって…ピリペンの私には涙の回でしたㅜㅜ引き続き楽しみにしております！ (12月8日 6時) (
レス) @page24 id: ba7c22e5aa (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新お疲れ様です！本当に好きです登場人物からストーリーまで全部がすごく好きです！これからも応援してます！ (12月6日 19時) (レス) @page23 id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - とても読みやすくて何回も読み返してしまいました。こういうお話大好きです！更新楽しみにしてます。 (11月30日 0時) (レス) @page13 id: 62890fab6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meru | 作成日時：2023年11月28日 10時
