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一軒目のお店のコース料理が終わった頃、行きつけのバーがあるから行きたいと駄々をこねられた。
(服の袖を掴んで一軒目の店の前から動かない、大きい声で泣き真似をする、など)
そんなことをされれば、押しに弱い私は断ることができないもので少しならと付き合うことになった。
バーカウンターの奥に立つ男の人はヒョンジンさんと知り合いのようで、入って目が合うとお互いに片手をあげて挨拶を交わしている。
こちらリノヒョンと言って、紹介を受けるとピシッと決まった白シャツに黒いベストを着たその人が頭を下げた。
そのあと、ふにゃりと笑う表情がとても可愛らしくてバーという場所に来たことによる緊張感が少し解けた。
hj 「リノヒョン、紙ある？」
クラッカーをつまみながら、ぼーっとバーの雰囲気を楽しんでいると、絵が描きたいと突然口を開いた。
そうすると事前に準備がしてあったように、スケッチブックと鉛筆が出てきてそれを当たり前のように受け取っている。
LK「ヒョンジナは酔うと絵を描きたがるから、紙を用意してあるんだ」
不思議そうに思ってる私の感情を読み取ったのか、次のドリンクを出しながら教えてくれる。
一軒目からあまり表情が変わっているように見えないから私には酔っているかいないかはわからないけど、彼と親しい人が言うんだからそうなのだと思った。
hj「僕、絵そんなに上手くないんだよね」
カウンターの机に置きながら描く絵をちらっと覗き込むと、なんの迷いもなく線が描かれている。絵と向き合う視線はいつもよりも真面目に見えて、酔ってるなんて嘘だと思った。
hj「絵を描くことが好きなのと絵が上手いは違うじゃん？」
「そうなの？」
hj「僕はいつも教授に怒られてるよ」
絵を描いていると口数が減るようで、カリカリと鉛筆の走る音だけがよく聞こえる。
hj「なに」
その姿をじっと見つめている時、目にかかる前髪の隙間から漆黒の瞳が私を見た。
視線が結ばれると、体ごとこちらに向いて頬杖をつく。
さっきまでの解けた表情は無くなって、ピンクに火照った頬とは対照的に、しっかりとした視線で私を見る。
鼻と鼻が触れそうな距離に近づいた時、その隙間に手を滑り込ませた。
彼の描いていたカクテルグラスはもう完成していた。
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🐣 - 24話目がただただ胸がキュッとなって…ピリペンの私には涙の回でしたㅜㅜ引き続き楽しみにしております！ (12月8日 6時) (
レス) @page24 id: ba7c22e5aa (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新お疲れ様です！本当に好きです登場人物からストーリーまで全部がすごく好きです！これからも応援してます！ (12月6日 19時) (レス) @page23 id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - とても読みやすくて何回も読み返してしまいました。こういうお話大好きです！更新楽しみにしてます。 (11月30日 0時) (レス) @page13 id: 62890fab6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meru | 作成日時：2023年11月28日 10時
