11 ページ11
———
NY「ごめんお待たせ〜」
挑発するような視線を睨みつけて、握られている手を振り払う。そのまま、グラスに残っているカクテルを飲み干して、膝にかかってる上着を羽織って立ち上がる。
「私、もう帰るね」
hj「じゃあ僕らもここを出よう、お金払ってくるからナヨンのこと見てて」
何事もなかったかのように、席を立ち伝票を持ってレジに向かう。水を飲んで帰る支度をするナヨンに上着を着せる。
「ナヨン、本当に絵、見に行くの?」
NY「うん、せっかく誘ってくれたんだもん、行くよ」
「そっか、じゃあ、私は先に帰るね」
先ほどよりも顔色が良くなったナヨンの頬を撫でて、お会計を終わらせてこっちに向かってくるヒョンジンさんを横目にお店を出る。
澱んだ空気から外の新鮮な空気を吸い込むと、さっきの気分が切り替わって気持ちが落ち着く。
もう彼とは関わりたくないと思った。
FL「ヌナ」
「ヨンボギ、ごめんね来てくれてありがとう」
お店を出て声をする方に振り返るとさっきよりも厚めの上着を羽織った、ヨンボギがヒラヒラと手を振っている。
ヒョンジンさんと話してる時このままじゃ帰れない気がして、本能的にスマホでヨンボギに迎えを頼んだ。
FL「ううん、大丈夫ですか？」
「え、なんで？」
FL「顔が強張ってるから、」
ヨンボギと目が合うと、そのまま彼の両手が私の頬を包んでじんわりと温もりが伝わる。
FL「カイロ、ヌナいつも持ってるでしょ?」
頬に当たる温もりはカイロのもので、なんでそんなこと知ってるんだろうって頭が混乱した。酔っている私を落とすには十分な言葉だった。
NY「A？まだいたの？」
カイロを受け取りながら、振り返るとヒョンジンさんの手が腰に回ってお店から出てくる2人の姿が目に入る。
NY「それと、誰?」
私の後ろに立つヨンボギを見ながら不思議そうな顔をしている。その横をチラッと見ると、赤らめた頬はそのままに無表情のヒョンジンさんの顔が見える。
それから私と視線が交わってあの時のようにまた笑った。
「友達だよ、ヨンボギ行こう」
FL「うん」
横に立つヨンボギを見上げると、私に柔らかく微笑んで、2人にぺこりと頭を下げて、私の後ろをついてくる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 673人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
🐣 - 24話目がただただ胸がキュッとなって…ピリペンの私には涙の回でしたㅜㅜ引き続き楽しみにしております！ (12月8日 6時) (
レス) @page24 id: ba7c22e5aa (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新お疲れ様です！本当に好きです登場人物からストーリーまで全部がすごく好きです！これからも応援してます！ (12月6日 19時) (レス) @page23 id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - とても読みやすくて何回も読み返してしまいました。こういうお話大好きです！更新楽しみにしてます。 (11月30日 0時) (レス) @page13 id: 62890fab6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：meru | 作成日時：2023年11月28日 10時
