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「当たりー！」
私の上に乗る男は楽しそうに言うのだが、私には何が楽しいのか分からなかった。
ただ失ったはずの人間を目の前にすると嬉しいという感情が湧くはずなのに今の私には一切嬉しいという感情が湧かなかった。
私の周りに散らばった荷物はまるで私の心のようにぐちゃぐちゃ。
「久しぶりだね、おねーちゃん。」
そう言って笑みを浮かべた顔はよく見ると確かに面影があるような気がしてくるし、何年振りに聞いたその声は多少低くなっていたとしても私に少し似てる気がした。
『燈矢？』
「違うよ。」
「俺の名は荼毘。
燈矢はﾀﾋんで、荼毘になったんだ。」
荼毘の瞳に映る私は家族ではなかった。
ただ、昔姉だった一人の女が怯えた顔で見つめていた。
もう私に逃げ場はなかった。
『私をどうする気？
もう私に逃げ場はない。ﾀﾋんだも同然ね。』
「、、、。」
『いいの。このまま手にかけられても私の白黒の人生の終わらせ方が見つかっただけだから。』
「は？そんな事言うなよ。」
『誰でもいいの。アンタなんて。
何がしたいの？何を言えばいいの？
私、最後まで燈矢の双子の姉だった。
勝手にﾀﾋんで、勝手に生まれ変わって
勝手に現れて、勝手に人の人生を奪う。』
私は力強く手を握りしめて少し力の抜けた荼毘の胸を殴った。
『私、きっと昔から嫌いだった。』
誰の事が？なんて私の目を見れば分かるだろう。
荼毘はさっきまでの威勢を失って強ばった顔を背けた。
『私が一番嫌なのはこの先の人生でアンタに色を付けられること。
勝手に新しい自分見つけんなよ！
今まで弟達の面倒見てきたけど、面倒見て欲しかったのは私。
片割れを失って一番悲しかった。
正気を保てるわけがない。』
『分かったら早く選んで。
消すか消えるか。
私はもうどっちでもいい。
消すなら別に抵抗しないし消えるなら明日から普通の日常に戻る。』
その言葉を聞いた荼毘は泣きそうな顔をしていた。
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ユキ(プロフ) - 本好きさん» え〜嬉しいです✨ありがとうございます！ (3月27日 15時) (
レス) id: fcbbcc471e (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 更新頑張って下さい‼ 続きが楽しみです(^o^) (3月27日 9時) (レス) id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2023年9月14日 2時
