10 ページ11
タバコなんてあんまり世間から見るといいものでも無いし、身体にも良くないし、私は楽器をやってるから無縁の存在だと思っていた。
そういえばいつから吸っているんだろう、と考えると確か専門学校に入った位かもしれない。
段々下の兄弟達が成長してきて逞しい身体になったり個性が強かったりして、自分の中で私が無個性に思えて、、、。
なんだか普通でいるのが嫌だった。
タバコを吸えば普通じゃなくなる訳じゃないと思ってたけど未成年の私からしたら少しカッコよくて良いのかなって思いつつ友達の前で自慢気に吸ったりしただけで気分が良かった。
また、少し不良っぽい友達が増えたことでずっとずっと楽しいばかりで遊んでばかりで、、、。
友達の前では吸っていたから気が付けば早い段階で依存していた。
そんなことを思い出した。
『私、タバコを吸ってる人がすごくやんちゃで、すごく大人に見えて良いなって思ってたんだよね。』
「それが？」
『轟家への、反抗期』
へぇ、と口を弓なりに吊り上げて不気味に微笑んだ。
『お父さんのこと殺 したい訳じゃないけど私から燈矢を奪った事だけは絶対に許せない。
いつか報復が来ればいいと思ってる。
少しでも評判悪くなればいいと思ってグレてみたかったんだよ。』
「若気の至りってやつだな。
俺の実の姉とは思えない程愉快な頭をしてるぜ。」
荼毘は機嫌が良さそうだ。
「まぁそんなお前にスペシャルな提案があってな。
俺に協力して生きるか、しないでﾀﾋぬかの二択だけどなぁ。」
『それって私にできることなの？』
「個性は役に立たねぇかもしれねぇが看護師の資格を持ってるっていうのがな。
敵の中にも治癒系の個性を持ってるやつもいるが医療班があるわけじゃねぇから。」
そういう事か。
『私が敵の医療班に入るって訳ね。
部署的な話で。そんなのあるんだ。
まぁ、施設の腕前だから少し劣ると思うけど他の医療班の人達も看護師経験者とか医者とかいるならいいじゃんね。』
「それは、着いてくるってことか？」
『まぁ』
私はタバコの吸殻を踏み潰した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキ(プロフ) - 本好きさん» え〜嬉しいです✨ありがとうございます！ (3月27日 15時) (
レス) id: fcbbcc471e (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 更新頑張って下さい‼ 続きが楽しみです(^o^) (3月27日 9時) (レス) id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユキ | 作成日時：2023年9月14日 2時
