太陽の似合うキミを独り占め (橙) (ページ35)

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きっとこれまでも現場には出ていたであろう彼が、かっこよくて身長が高いはずの彼がこの界隈で話題にならないのは少しだけ驚くけど。

「うん、一緒に居たい」

ーはは、 Aちゃんは可愛ええなぁー

ほんなら、まるには俺から連絡しとくな？と、グッーサインの絵文字の後にグーサインをしている私の推しちゃんの画像を送ってくれた章ちゃんのことは、本当に大好きと声を大にして言いたくなった。

「うん、ありがとう」

そう返して、そろそろ本当に上せそうだったからお風呂から上がる。
スキンケアをいつもより念入りにして、ベッドに入ってから、きっともうたくさん帰ってきているであろう返信を読もう。

･

なんて、数分前に決意をしたのに。
まるさんからのメッセージが来ているという通知が来た瞬間に、その通知をタップしてしまう。

彼になんの期待をしているんだろうか。
章ちゃんの感想だけで、普通こんなに気になるものなのだろうか？
彼は、何故私をここまで引きつけるのだろうか。

「このメッセージにだけ、返信しよ」

なんて、自分に言い聞かせるように声に出すと、顔にパックを貼ってケータイと向かい合う。

ーあ、さっきちーぱからお話聞きました！あしたおあいできるのたのしみにしてますぅ (´∀｀)ー

なんて、やっぱり絵文字がついているそのメッセージを見た瞬間、少しだけ心が温まったような気がして。

ーあと、もしかして推しちゃん一緒な感じやったりしますかぁ？ー

なんて、追加できたメッセージに不覚にも胸が弾んだのは、やっぱり自分では説明できない感情で。

少しだけ胸が苦しいのは、明日のライブが楽しみすぎるせいだと自分に言い聞かせる。
何故か、まるさんに対するその気持ちに気づいてはいけない気がして。