太陽の似合うキミを独り占め (橙) (ページ33)

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otaku ページ33

「明日のライブ、凸れる人D M！」

みんなご存知青い鳥がアイコンになっているアプリでそんな呟きをしたのは、私の好きなアイドルグループのコンサートの前日。

直ぐに、普段から絡んでいる仲間たちからのメッセージで埋まっていく通知欄をニタニタとしながらチェックするのは所謂、ヲタクの性なんだと思う。

「ねぇ、髪型変わってたらしいよ！？」

とか、

「セトリ見た？ FFPP歌ったって。クリスマスずるい」

とか。
正直コンサートに入って自分の目で、耳で確認したいタイプだから、返事はするけども少しだけ気分が落ちてしまう。

メッセージをひとつひとつちゃんと捌きながら、少し沈んだ気分を取り戻すために缶ビールを飲む。
在り来りだけど、これが私の至福の時間で。

この返信が終わったらお風呂に入ろう。と思って最後のトークルームを名前も見ずに開くと、

ーFF外から失礼します、僕も明日行くんで良かったらお会いしたいです (*´∇`)ﾉー

なんて、丁寧に可愛い絵文字の付けられたメッセージ。
見覚えのないその文面と本人がFF外から、と書いていることから初めてお話する人だということは分かっている。

普段なら、流しているところだけどコンサート前で、心が浮かれているから少しめんどくさいながら、返信をする。

「メッセージありがとうございます。ぜひ！お会いしましょう。フォロー失礼します」

そんな、素っ気ない普通の文章だけど。
かなりの量のメッセージを返してようやく一息つける、と手に握った缶に残っているビールを一気に飲み干す。