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新しいクラスに踏み入れた瞬間、1年の頃のクラスと雰囲気が違うことにはすぐに気がついた。
理系クラスだから男子が多いのは当たり前だけど、私を含めて女子は10人。あとの30人は男子で、女子である私はかなり浮いてる。
しかも、女子は女子で既に固まってて今年もぼっちか、なんて少しだけ悲しくなる。
「去年もぼっちちゃうかったやん」
僕達がおったやろ、なんて荷物をすぐにおいて私の机の前に来て自分を指さす丸ちゃん。
そうだね、なんて頷きながら笑うけど、やっぱり女の子の友達が欲しいのも事実で。そんなこと、高望みってわかってるけど。
「あれ、亮は？」
丸ちゃんの方を見て亮が居ないことに気づいて首を傾げると、丸ちゃんはあぁ、と少しだけ口を開く。
「口止めされてるんやけど」
と、少しだけ眉を下げて口をもごもごとする丸ちゃんの顔は赤くて、いつもの数倍だらしない顔になっている。
頭にはいっぱいのハテナが浮かんでる私なんて置いてけぼりにして、丸ちゃんは1人で頬を抑えたり緩んだ口元を隠したり。
「女の子達に、Aちゃんと仲良うしてって言いに行ってん」
そんなことをしばらくして私を焦らしたあとに、急に丸ちゃんが口を開く。
と同時に丸ちゃんが誰かから殴られて私の視界から消えていく。
殴ったのは亮で、丸ちゃんの首を掴んで睨みつけてる。
「言うな、言うたやろ」
「えっ…でも、亮ちゃんかっこええなぁって思ったし」
なぁ？なんて私にヘルプの視線を送る丸ちゃんの視線に合わせて、亮ちゃんがこちらを向いて目が合う。
亮ちゃんの顔は真っ赤で、その目が少しだけ潤んでたからほんとに恥ずかしかったんだろうな、なんて思う。
どこまでも素直な人だ。
「亮、ありがとう」
だから、私も素直な感情を亮に伝える。
亮の顔はやっぱり赤くて、照れまくってることがよく分かる。
そんな亮を見て、首を掴まれたままニヤニヤしてる丸ちゃんの気持ちもよくわかる。
「亮は私のヒーローだね」
なんて我ながらクサイセリフを言ったら、私も亮と同じ顔の色になる。
お揃いやん、2人。なんて丸ちゃんが茶化す。
「去年の最初、言うたやろ。お前守るために、友達でおんねんから。」
なんかあったらこれからも俺が守る。
なんて真っ直ぐに言われるとやっぱり、亮のことが好きだなぁ。って感じる。
これまでもこれからも、私のヒーローは1人だけ。
いつか、この思いを伝えよう。
-end-
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作者名：さくら | 作成日時：2018年11月20日 18時
