＊アイドルのカノジョ(橙) ページ22
私の彼氏はアイドルをやってる。
付き合い始めたのは2年前くらいで、LIVEにも行ったりした。
今日も関ジャニ∞のLIVEに行ってたわけだけど、ドームの中で輝く隆平は普段私に見せないようなキラキラしたアイドルスマイルをファンの子たちに向かって振りまいてた。
それがお仕事だってわかっててもやっぱり、そんな笑顔を向けてもらえる女の子達を見たら嫉妬しちゃうのも事実。
だから、LIVEが終わってすぐに帰ってきてくれる隆平がドアを開けた瞬間に飛びついてみる。
「んぁ…!?Aちゃんどうしたん!?」
なんて言いながら片手で直ぐにドアを閉める彼は職業柄、そういうことには警戒心が凄い。
私がずっと黙って胸に顔を埋めてると、隆平は分からんよー。なんて言いながら私をお姫様抱っこしてソファに運ぶ。
「寂しかったん？」
ソファに降ろされながら、隆平が優しい声で聞いてくるから頷く。
隆平は笑ってそっかぁ、ごめんなぁ。なんて前髪を優しく撫でるからその手を捕まえる。
「ん、どうしたん？」
少しだけ驚いて隆平がまた優しく聞いてくれるから、嫉妬しちゃった。なんて言うと、隆平が逆の手で私を撫で始める。
「可愛ええな、Aちゃんは」
前髪からおでこに移った手が少しだけ汗ばんでて、笑ってしまう。
なんで笑うんよ、なんて言いながら頬を膨らませる隆平に、
「隆平も、かっこいいよ」
と呟いて掴んでた手を離して前髪に手を伸ばす。
触りやすいように自然と屈んでくれる隆平とタイミングが合わずに思わず頬に触れてしまう。
「して欲しいん？」
なんて意地悪なほほ笑みを一瞬浮かべて、そんなことを聞いてくる隆平に、そんなつもりじゃ…なんて言うけど割として欲しかったりもするから、ちょっとだけ、して欲しい。なんてつけ加える。
「しゃあないなぁ、」
なんて言いながら口を突き出して目を瞑る隆平。
私がするの？なんて聞けば当たり前。なんて少しだけ口元を緩めて、はよ。なんて急かしてくる。
たまに出るこの隆平の強引さも、また彼の魅力だったりして。
「恥ずかしい…」
なんて言いながら優しく隆平の唇に触れて離れ…ようとすると頭を抑えられ、そのまま深くキスをされる。
ゆっくりとそういう雰囲気を作り出して、上手に流れを作ってくれる隆平に身を委ねると、優しくて暖かい私たちの夜が幕を開けた。
-end-
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作者名：さくら | 作成日時：2018年11月20日 18時
