＊アイドルのカノジョ(黄) ページ19
私の彼氏はアイドルをやってる。
付き合い始めたのは2年前くらいで、LIVEにも行ったりした。
今日も関ジャニ∞のLIVEに行ってたわけだけど、ドームの中で輝く亮はキラキラ輝いてて完全に王子様になってて。
それがお仕事だってわかっててもやっぱり、そんな笑顔を向けてもらえる女の子達を見たら嫉妬しちゃうのも事実。
だからちょっとだけ、亮に意地悪しちゃう。
「なぁ〜A？」
なんで無視するん？と私の肩に手を回して私を引き寄せる。
それでも私は返事をせず、スマホだけを見つめてる。
「なぁ、聞こえとるんやろ？」
なぁなぁ、と肩を揺すったりつんつんしたり、ファンの子の前ではあまり出さないうさぎさんな亮に、思わず抱きしめたくなる感情を抑えてまだ無視する。
私が嫉妬してるって、汲み取ってもらわなきゃ意味ないがない。
「なぁ…聞こえとるやろって」
少しだけ怒った声が聞こえたと思ったら、顔をむにゅっと摘まれて亮と向き合う形になる。
聞こえてたよ、なんて降参して微笑んでみると亮は少しだけ潤んだ目で私を見つめる。
「なんで返事してくれへんかったん」
なんてそのまま抱きしめられる。
俺、ホンマに焦っててんで。と付け加える彼の顔が見たくて、少しだけ胸を押すと亮が離れる。
「なんで、そんなことするん？」
すると、私の意図なんて全く読み取れてない亮はものすごく悲しそうな顔でそう言ってきた。
違うの、と言うと何がやねん。と俯いてしまう。
「嫉妬しちゃったから、意地悪しちゃおうと思って…」
と、正直に白状すると亮がピクっと動く。
そして、ゆっくり顔を上げるとホンマに？と目だけで聞いてくる。
「ほんとに。ごめんね、傷つけるようなことしちゃって…」
「俺のこと嫌いになったんとちゃうかって、めっちゃ怖かってんぞこっちは…」
しかも理由が、嫉妬て。と呆れたように笑う彼の瞳は心底安堵しきっていて、強がらなくていいのに、なんて思う。でもそれが亮らしくて、笑ってしまう。
「やることが、いちいちめんどくさいねん…嫉妬した言えばええのに」
なんて、口をとがせるからその口に触れるだけのキスをする。
驚きつつも亮はその唇を逃がさないように舌をねじ込んできて、いつの間にか大人な雰囲気になっていた。
「明日Aんせいで寝不足やわ」
なんて言いながらゆっくりと、私を押し倒す。
少し乱暴なキスから、私たちの夜がゆっくりと幕を開けた。
-end-
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作者名：さくら | 作成日時：2018年11月20日 18時
