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定食が出てくるのはあっという間で。
丸ちゃんの分が先に来たのに私の定食が届くまで待っていてくれるあたりやっぱり、丸ちゃんは優しい。
「こっから、寒いんが待っとるから体力付けて行かななぁ」
なんて呟いて、手を合わせてお箸に手を伸ばす丸ちゃんの真似をして、手を合わせていただきますと挨拶をすると、丸ちゃんは偉いなぁ。と褒めてくれる。
「唐揚げ、一ついる?」
そんな些細なことで、舞い上がっちゃってサービスしたくなっちゃう私は物凄く単純で。
うん。と私の好意をちゃんと受け取ってくれる丸ちゃんも、もしかしたらそうなのかもしれない。
「じゃあ、焼肉と交換な」
なんて、私のお皿に1番大きなお肉を乗せてくれる丸ちゃんはやっぱり大人だった。
少しだけ近づきたくて、私も同じように1番大きくて美味しそうな唐揚げを丸ちゃんのお皿に置く。
「わあああ、うま!」
なんて、私の渡した唐揚げを頬張りながら感動している丸ちゃんに、奥からおばあさんの嬉しそうな声が聞こえてくる。
何だか、丸ちゃんが取られた気がして。
同じように丸ちゃんから貰ったお肉を頬張ると、うま!と声が漏れてしまう。
「ふは、僕らめっちゃ素直やなぁ」
なんて言いながら、お肉を食べ始めてまた、うま!と目を輝かせる丸ちゃん。
成人男性にはぺろっと平らげられるような量だったのかもしれない、直ぐにお皿の上は綺麗になってしまっていて。
私も早く食べなきゃ、と思うけどなかなか丸ちゃんのペースには合わせられない。
食後のコーヒーを飲みながら丸ちゃんが、一生懸命ご飯を食べる私をニコニコ眺めてくるから、少しだけ食べにくかったり。
でも、人と一緒に__特に、好きな人と__食べるご飯はこんなに美味しいものなのかと、やっぱり感動する。
「丸ちゃん、あーん」
なんて、唐揚げを丸ちゃんの口にほおり込むのは、お腹いっぱいになってしまったからというのは内緒。
ありがとなぁ、と嬉しそうにその唐揚げを食べてくれる丸ちゃんの顔が見たかったから、というのもあながち間違ってはないから、そういうことにしておこう。
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櫻華(さくら)(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます!そう言ってくださると頑張って書いた甲斐があります(^^)応援もありがとうございます!ぜひ、楽しんでいただけたら嬉しいです! (2019年3月1日 22時) (レス) id: 04bcbb370b (このIDを非表示/違反報告)
さら - 読み終わって、本当に、本当に大好きな作品です!新作も頑張ってください!応援してます!(^○^) (2019年3月1日 21時) (レス) id: 774dc9dc2f (このIDを非表示/違反報告)
世現身(。。) - 櫻華(さくら)さん» はいw楽しみにしてますー。 (2019年1月19日 16時) (レス) id: 85930732e3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(さくら)(プロフ) - 世現身(。。)さん» ありがとうございます!完結まで走り抜けますので、ぜひ楽しんで読んでいただけると嬉しいです(´˘`*) (2019年1月18日 17時) (レス) id: 04bcbb370b (このIDを非表示/違反報告)
世現身(。。) - 続編おめです!これからも応援します!!(。。)♭ グッ (2019年1月17日 21時) (レス) id: 85930732e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2019年1月14日 13時