*雪遊び ページ18
そんなこと口に出す訳もなく、うん、と頷いて精一杯の笑顔を見せると、丸ちゃんも嬉しそうに笑うから自分の答えが間違っていなかったと安堵する。
否、きっとどんな返事をしても丸ちゃんは笑うんだろうけど。
「Aちゃんが楽しかったなら、頑張ってソリ乗った良かったわぁ」
なんて達成感たっぷりの表情でそう言う丸ちゃんは、やっぱり嬉しそうに見える。
絶叫系__と呼ぶにも満たないような、本当にどこにでもあるそりだったんだけど__が本当に苦手な様子の丸ちゃんが、ここまで清々しい顔をしているということは私が喜ぶ顔が本当に見たかったんだろう。
「じゃあもっかい乗りたいかも」
だから、そんな丸ちゃんに対してちょっとだけ意地悪をしてみる。
別に心からもう一度乗りたいと思っているわけじゃないけど、丸ちゃんをからかいたい気持ちだけでそう呟けば、丸ちゃんはわかりやすく顔をしかめる。
「あれは…1回やから楽しいんやと思うけどな」
なんて、遠回しに乗りたくないアピールをしてくる丸ちゃんが面白くて、笑ってしまう。
私の真意に気付いた丸ちゃんがふてぶてしい表情で私を見るから、ごめんごめん、と手を合わせて謝る。
「顔わろてるやん」
「だって…へへ、丸ちゃんほんとに絶叫ダメなんだ」
納得がいかないのか、口をとがらせたまま丸ちゃんが私から目を逸らすから、少しだけ寂しくなって俯き気味になる。
「そら…やって、命がけのスリルとか何が面白いんかわからへんし…」
そんな私が視界に入ると心配そうに私を見つめる丸ちゃんはやっぱり優しい。
語尾が消えそうになりながら、怒らせてもうた?と覗き込んでくる丸ちゃんに、ううん。と首を横に振ると、困ったように眉を少しだけ下げるから、ん?と首を傾げる。
「ほんなら、なんでそんな寂しそうな顔してはるの…」
なんて、丸ちゃんまで悲しそうな顔と、声で私に優しく問いかけてくるから、無視なんてできなくて。
「丸ちゃんが、目逸らしたから…怒らせちゃったのかなって」
なんて、丸ちゃんにしか見せられない弱虫な私を見せてしまうと、なんだか心が丸裸にされたようで照れくさくなる。
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櫻華(さくら)(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます!そう言ってくださると頑張って書いた甲斐があります(^^)応援もありがとうございます!ぜひ、楽しんでいただけたら嬉しいです! (2019年3月1日 22時) (レス) id: 04bcbb370b (このIDを非表示/違反報告)
さら - 読み終わって、本当に、本当に大好きな作品です!新作も頑張ってください!応援してます!(^○^) (2019年3月1日 21時) (レス) id: 774dc9dc2f (このIDを非表示/違反報告)
世現身(。。) - 櫻華(さくら)さん» はいw楽しみにしてますー。 (2019年1月19日 16時) (レス) id: 85930732e3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(さくら)(プロフ) - 世現身(。。)さん» ありがとうございます!完結まで走り抜けますので、ぜひ楽しんで読んでいただけると嬉しいです(´˘`*) (2019年1月18日 17時) (レス) id: 04bcbb370b (このIDを非表示/違反報告)
世現身(。。) - 続編おめです!これからも応援します!!(。。)♭ グッ (2019年1月17日 21時) (レス) id: 85930732e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2019年1月14日 13時