35話 ページ38
「つ、か、れたー!!!」
私はワークを閉じ、ペンを投げた。キヨ先輩の教え方は悔しいが本当に分かりやすかった。
そのため、課題範囲であるページはあっという間に終わり、2週目も終わった。
「2週なんて初めてした…」
何はともあれ今日だけで100倍頭が良くなった気がする。そして疲労がやばい。
飽き性の私がこんな何時間も持続できるのはゲームくらいだ。
「俺なんか4週させられたぜ…」
「本当はまださせたいくらいですよ」
こーすけ先輩が青ざめた顔で呟く。夏帆はスパルタだからな、ついていくのは大変だろう。ご愁傷さま。
「もういい時間だしお開きにすっか?」
キヨ先輩の提案に私達は大きく頷いた。
我が家恋しい。
お会計は私が代表で済ませることになった。何故だ…。
いーや、明日倍で返してもらおう。
…諭吉さん、使うか。
「すんませーん、お会計のほうお願いしまーす」
「へ、あっ、はい!」
挙動不審に出てきたのは私達と同じくらいの歳であろう男の子。身長が小さめで、童顔でなんか可愛い。
バイトかな?大変だねぇ…。
「ひぁう!?1万!?あ、スイマセン!今、今お釣りだします!!」
まさか諭吉さんを出されるとは思っていなかったのかバイト少年は焦った声だ。レジをがしゃがしゃ言わせながらお釣りを出す。ああ、もっと丁寧や扱いなさい…。
「焦らなくても大丈夫だよ。ほら、落ち着いて、ね」
「ひゃあ!?」
落ち着かせるようにバイト少年の震えた手に自らの手を重ねると、バイト少年は顔を真っ赤にした。
シャイボーイかっての。
「あっ、おつりです!またご来店くださいいいい!!」
お釣りを渡した後、バイト少年は大袈裟なくらいペコペコとお辞儀した。
……少年、強く生きるのだぞ。
「あ、キヨ先輩動画だしてる」
久々にニコ動を開くといくつかの動画の通知がきていた。キヨ先輩は更新ページが非常に早い。毎日のように更新されている。でも、グループ実況は割と更新が遅めだ。といってもそこらの実況者に比べたらだいぶん早い方だが。
あれで頭いいんだもんな…腹立つ。
ー私はその後動画を朝がくるまで見続けた。
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ふくろう - かえさん» いえいえいえ!!てか、キヨとこーすけの仲悪い説wwww私はあれ絶対嘘だと思いますよ!結構裏では飲んでたりするみたいですし…。ww (2014年9月14日 12時) (レス) id: af2619a78d (このIDを非表示/違反報告)
ふくろう - いきなりすみません!私これを読んで、すごいいいお話だなーとおもいました!!更新頑張ってください!!!! (2014年9月13日 16時) (レス) id: af2619a78d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いっぴ | 作成日時:2014年9月6日 0時