【実況者】幸福はすぐそばに。【キヨ】

33話 ページ36

「夏帆めっちゃ可愛いなーお嬢様っぽい」

「いや、夏帆ちゃんはお嬢様っつーか女王様だろ(真顔」

「清川先輩殴りますよ」




……。
やっぱり男の子は可愛い服の方が嬉しいのかな…。
私女らしくないしなぁ…。
夏帆を見ているとつくづく思う。私は夏帆みたいに美人じゃないしガサツだし…服のセンスないし。

考えていくうちに、逃げ出したいような、そんな気持ちが募っていく。いつもはこんな事思わないのに。
…あーダメだ。こんなうじうじしてんのよくないな。

「夏帆、本当可愛いですよねぇ！性格は凶暴だけど…可愛いは正義！！女の子最高！」

気を持ち直すために大袈裟に声を張る。実際女の子好きだけどね。

「お前おっさんかよ。で、俺は？俺はかっこいい？」

「あー、はい。かっこいいと思いますよ、はい」

「思ってねえだろ！！」

私の答えにキヨ先輩は不満そうな顔をした。
いや、本当に素敵だと思う。

「………私と違って」

私が小さく呟いた一言にキヨ先輩が首を傾げる。

「俺、Aの服結構好きだぜ？」

「え…」

「Aらしいし、似合ってんじゃん。つーか、俺さ好きな色赤と黒なんだよねー！」

屈託ない笑顔でキヨ先輩はそう言った。その笑顔は太陽の光に照らされて、本当に綺麗で…まるで……、

「…っ」

「え、なに？惚れた？」

「……何言ってるんですか、バーカ！」

私は心の底から、笑顔で答えた。

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