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そして佐倉の誕生日を2回過ぎて、三回目の春がやってきた
卒業式だからって、何でこんなに人混みが多くてうるさいんだよ……
だから俺は1人になりたくて、校舎裏に向かった
あの日と同じで、校舎裏の桜は満開でとても綺麗だった
────まだ俺はあの手紙を開けられずにいて、プレゼントも捨てられずにいて、
俺の時間は何もかもが止まってしまっている。
ここにくればあの笑顔がまた見られるなんて思ってしまって
「でも、もうこれで終わりにするから」
そう決意して俺は桜の木の根本に佐倉に渡すはずだった桜のブレスレットを埋めた
そしてあの日からずっと読むことが出来なかった手紙を開けた
『好きです。』
そこにはシンプルに綺麗な字でそう四文字だけの言葉が書いていた
その途端今まででるはずのなかった涙が次から次へと零れ落ちてきた
好きだった、大好きだった。
この気持ちを君に伝えたかった。
でももうそれはできない
君はもういないのだから。
だから俺は前を見て、君のような笑顔でもう止まっていた時間を進めて行こう。
「桜、綺麗ですね。」
そう言って桜の木の傍で
君が笑ったような気がした。
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燈華(プロフ) - 切なくてキュンときました! (2021年3月31日 12時) (レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
オキくん - とっっっっても面白かったです…!!!!! (2019年10月26日 18時) (レス) id: 5d04af8ab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じろう | 作成日時:2019年2月11日 11時