恋 は 桜 に似てい る。【国見英】

桜 ページ1

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ザワザワとした人の声とうんざりするような人混みに嫌気がさして人気のない校舎裏に来た




多分金田一が自分の姿を一生懸命探してるんだろうな、とか



及川さんや岩泉さんとまた一緒にバレーできるのか、とか




影山はやっぱりここには来なかったんだ、とか






色々なことを考えすぎてたからちょうど1人になりたかった




でもそんな俺の気持ちは神様が察してはくれなかったようで

その桜の木の傍には先客がいた





｢あのすみません、ここ座っといていいですか｣





自分から声をかけるなんて柄ではないけど何故か俺は声をかけた



｢はい
どうぞお気になさらず｣




その人は少しびっくりしたけどすぐに笑顔で答えてくれた




俺はそっと腰をかけて桜の木を見つめる


風に吹かれて舞った花びらがヒラリと顔に落ちてきた





｢桜、綺麗ですね｣

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