Not a ヒロイン (ページ24)

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次に目を覚ました時にはお昼を過ぎていた

まだ気怠さが残る体をソファーから起こしてキッチンに向かう

あ「…何も無いじゃん」

冷蔵庫の中には納豆、牛乳、ネギ。以上。

多分お母さんが今日仕事帰りにスーパーで買い物するはずだから帰って来るまで何も無い。

食糧不足。

風邪の時って何食べるんだっけ。

雑炊?ゼリー?プリン?

わっかんね。

とりあえず納豆を1パック持って椅子に着く

学校では今お昼休みかなー。

聡今何してるんだろ～。

風邪引いてるからかな。急に聡が恋しい

今までだって聡の事何度も恋しくなったし、聡と付き合ったらー...って何度も妄想してきたけど
今まで以上に恋しくて、会いたくて仕方ない。

今なら勢いで行ける気がする。何がかは分からないけど。

充電器に繋いでいたスマホを手に取り、
ゴホン、と咳払いをしてから電源を入れる

あ「声…」

声がガッラガラに枯れてる

お母さんの酒焼け声にソックリ！

昔、風邪引いた時に家の固定電話に電話が来て出たらお母さんと間違われてちょっとショックだった事がある。

中学生の時には友だちに「新宿2丁目の人みたいな声だね」って。ん?褒めてんの?それって。

アプリを開いて聡のトーク画面を開く

…あれ?ここからどうするんだっけ。

電話するの?それとも、何か送るの?
え、でも何て?「会いに来てー」って?「会いたい」って?

いやいや、なのかちゃんと一緒にいるかもよ?
なのかちゃんと放課後デートの予定かもよ?

私だったら「友だち(女)が会いたいって言ってるから行くわ」って言われたら引くわ。
「は?何堂々と浮気宣言してんの。ほっとけや」ってなる。

あ「…やめとこう。」

ここにきて私は気付いた。

聡と距離を置くべきなんじゃないか、って。

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