最高経営責任者 ページ5
A side
『失礼します。本日面接のお約束を頂いております、伊泉 Aと申します。』
入口でぺこりと頭を下げる。頭を上げて彼の方を見ると笑顔でこちらを見ていた。
彼がここの代表の伊沢さんなんだと直観的に感じた。
izw｢どうぞ、こちらの席に｣
『ありがとうございます。失礼します』
伊沢｢はははっ、伊泉くん、そんな緊張しないで。｣
彼は豪快に笑うと俺の緊張をほぐそうと優しく声をかけてくれた。
『本日は面接ありがとうございます』
izw｢うん、じゃあ何個か質問していくね？｣
彼の目の前には先日送った俺の履歴書があった。
彼との面接はとても面白いかった。今までに感じたことの無いワクワクが心の中から湧いてきた。
ここで働きたい。そう思ったのは面接が終わってすぐの事だった。
izw｢ちょっとまってて、｣
そう言って彼はこの部屋から離れた。少し気を張っていたのが長かったせいで疲れがどっと来た。
『ふははっ、めっちゃ楽しい。』
面接中、伊沢さんがQuizKnockについて教えてくれた。ここは俺にとっては新しいことばかりで刺激的だった。ここで働けたらどんなに幸せなことかそう思っていた。
後ろから扉が開く音がして背筋がスっと伸びる。
izw｢ごめんね伊泉くん、おまたせ｣
『大丈夫です。』
izw｢とりあえず合格という形で君をQuizKnockに迎え入れようと思います。｣
『本当ですかっ？！ありがとうございます』
俺は思わず立ち上がって頭を下げた。
izw｢うん、とりあえずライターとしてか動画関係で雇うか決めてないから今度、軽く記事みたいなの書いて持ってきてくれる？｣
『わかりました！』
izw『いやー、元気だね。いいことだ！』
『あっ！すみません！』
izw｢いや、全然問題ないよ。伊泉君なんか犬みたいだね｣
『犬ですか？』
izw｢そうそう、感情がすぐ表に出る感じ？なんて言うんだろ、ゴールデンレトリバー？みたいな｣
『？？ありがとうございます…？』
izw｢はははっ、いやー面白い。よしっ！とりあえず今日はおしまい！また今度来る時記事持ってきてみて！｣
『はい、分かりました！ありがとうございます』
そこから色々スムーズに決まり俺をライターとして雇ってくれることになった。他にもプロデューサーさんやディレクターさんのアシスタントとしても付かせてくれた。
ここから俺のQuizKnockとしての日常が始まった。大学2年の秋が終わる頃の話。
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作者名：重曹 | 作成日時：2021年9月23日 23時
