名字見間違え事件 ページ14
Aside
朝オフィスに向かうといつも使う席に見たことの無い書類が置いてあった。
『なんだこれ、?』
ini「A、それ福良さんが置いてってたよ」
『俺、こんな書類出したっけな〜』
パラパラと紙をめくって見るが、この書類を福良さんに提出した記憶はない。
『あれ?これって…』
表紙をよく見るとそこに書いてあったのは"伊泉"ではなく"伊沢"という2文字。伊沢さんのだったのか
ini「それ、Aのじゃないの?」
『うん、伊沢さんのだったっぽい。届けてくる』
今日は伊沢さんはオフィスにいるはずだから、いつも伊沢さんがいる部屋をノックする。
izw「はーい」
『失礼しまーす。伊沢さん、これ伊沢さんのですか?』
俺は伊沢さんの近くまで寄って目の前に書類を差し出した。
izw「あっ!これ探してたんだよ〜」
『俺の席にあって、』
izw「いやー助かった!福良さーん、あったよー!」
そういうと伊沢さんは福良さんを大声で呼んだ。すると、ドアからひょこっと顔を出した福良さん。
fkr「本当〜?」
izw「うん。いずみの席にあったって、」
『はい。伊沢さんの書類何故か俺の席にあって』
fkr「あー!もしかして俺が名前見間違えて置いたんだ」
『多分、そうだと思います…』
fkr「伊沢もいずみも本当にごめん!」
そう言って顔の前で手を合わせて申し訳なさそうに眉を下げる福良さん。
『全然気にしないでください!俺は何とも無いので』
izw「しょうがないよ!最近忙しかったからバタバタしてたんでしょ?大丈夫ですよ!」
fkr「本当に申し訳ないな、ごめんね」
izw「見つかったことですし、気にしないでください!ね、いずみ?」
『はい!福良さん大丈夫ですよ!』
izw「いやーいずみのところにあるとは思わなかったよ」
『俺の名字と伊沢さんの名字の一文字目一緒だから見間違えちゃったんだと思います』
izw「うーん、あと何回か起きそうだな。」
『俺、今度から書類提出する時ひらがなで名前書きますね。見分け付けやすいように』
そう提案すると伊沢さんは大きな口を開けて少年のように笑い始めた。
izw「あはははっ!いいんじゃない?分かりやすそうだし」
伊沢さんからOKが出たので今度から伊泉じゃなくていずみって書くことにします。
・
あれ、ここって一応高学歴を売りにしてる会社だよね?なんか俺、頭悪そうなことばっかしてない?大丈夫?
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作者名:重曹 | 作成日時:2021年9月23日 23時