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殴られた後頭部をさする
「いっった!なんで二回…」
「俺が殴るのはお前だけだからな。Aの分の拳骨もお前のものだ、喜べ」
「喜べる要素が見当たらないんだけど」
「ざまーみろ天然タラシ!」
「ちょっとAちゃん?それ俺のこと!?」
「そうだよ馬鹿!どうせそうやって他の女の子も落としてきたんでしょ」
「勘違いすんのやめてくんない?俺そんなプレイボーイじゃないし!本気でそう思ったから。それにAちゃんだから言ったんだよ」
「ああもう、ほんとにっ……」
急に立ち上がって、俺に向かって何か言いたげに視線をおくる
しかし、その言葉は紡がれない
「…っ、も、帰る!」
後ろを向いて出口へと一直線に向かうAちゃん
と思ったのも束の間、すぐにくるりと綺麗にターンして戻ってきた
「お疲れ様、また明日も頑張って」
それだけ言ってまた彼女は出口へと向かう
と思ったが、また方向転換して次は青城の応援席の方へと寄っていった
「あの、今日はお疲れ様でした。差し入れを置いておいたのでみんなで飲んでください。それじゃあ失礼しました」
今度こそAちゃんは出口へと向かい、そして姿が見えなくなった
その一連の様子を目を離さずにじっと見ていた俺と岩ちゃん
本当礼儀正しいんだから。
姿が見えなくなって、徐々に冷静さを取り戻していく
先程のやりとりがフラッシュバックして俺を襲ってきた
「ねえ岩ちゃん」
「なんだよ」
「俺さ、もしかしてすごいことやっちゃった?」
「そうだな。恥ずかしげもなくかわいいを連発してた」
「やめて言わないで!今更恥ずかしくてしにそうなんだから!」
「まあ、あいつも照れてたし。いいんじゃねえの」
「そういう問題じゃないの!これで俺の恋心がバレたらもう終わりだ…」
「当たって砕けろ」
「やだよ俺砕けたくない」
「もしかしたら…」
岩ちゃんが言葉を濁す
いつもはっきり言うくせに珍しい
「なに、岩ちゃん」
「…いや、なんもねえ」
「気になるじゃんか!」
「言うのやめたんだボケ、なんか文句あるか」
「酷すぎる、放置プレイだ…」
「ま、確実に言えるのは、Aが本気でお前の言葉に照れてたってことだ。よかったな」
「……改めて言われると、やっばいね、それすごい嬉しい」
熱い顔をパタパタと手で仰いだ
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飛鳥(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったしきゅんきゅんしました!更新頑張ってください!!応援してます! (2020年4月24日 1時) (レス) id: a4e38dcdda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ x他1人 | 作成日時:2020年3月10日 21時