及川徹の心の支え【及川徹】 (ページ4)

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小学生の時から俺は"なんでもできる"と思われてた

表面だけしか見れない奴はいつも俺に期待した

本当は影で努力してることは岩ちゃんしか知らなかったし、それを他の誰にも見せるつもりもなかった

多分、小学生の時の俺はなんでもできる完璧な及川徹のままでいたかったんだと思う

だから俺はみんなの前では失敗しないように気をつけてたのに。

＿＿＿ボール上げに夢中になって小石に気づかずこけた俺に追い討ちをかけるように宙を待ったボールが頭にぶつかったあの日

顔をあげたら見知らぬ女の子が俺の失敗を見てたなんて当時の俺にとって一生の恥だと思った

「なにさ、なんか文句ある？」

女の子が黙ったままの雰囲気にいたたまれなくて何事もなかったように立ち上がって転がったボールを取りに行った

「…もしかしておいかわとおるくん？」

誰なのか思い出すのに時間かかっちゃった、と女の子は言う

「…えっ」

女の子が無言だったのは、評判と違う姿でなんて声をかければいいのかわからなかった、とか失望したからだとか考えてたのに

「あれ？違った？」

「いや、合ってる、けど」

そもそも名前を思い出すのに時間かけられること自体初めてだった

「何やってんだよ」

声をかけられた方向を向けば岩ちゃんが仁王立ちしてた

「あ、はじめくん」

岩ちゃんに手を振る女の子

どうやら2人は知り合いらしい

「お前ら友達だっけ？」

「「違うよ」」

見事にはもった俺らはお互いに見つめて数秒、互いにクスクス笑う

岩ちゃんと仲良いなら悪い奴じゃないのかも

(もうすでに失態を晒してるけど)この子ならもっと自分をさらけだせる気がした

これがAちゃんとの最初の出会い

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主人公は死んでません！

なんかもうこの世にいない雰囲気醸し出しちゃってるけどご健在です

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