及川徹の心の支え【及川徹】 (ページ27)

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貴方side

幼馴染みがいるチームと、自分の通う高校のチームとの戦い

＿＿＿＿昨日、青城の試合が終わってから、偵察に来ていた澤村くんたち烏野に声をかけた

少し世間話をした後、澤村くんに青城に知り合いでもいるのかと聞かれた

多分、私が青城の応援してるのを見ていたのかもしれない

素直に、うん、と答えれば、俺らの応援もよろしくな、と笑って言われた

自分の通う高校のチーム、それも主将としてチームを引っ張っている澤村くんに、応援よろしくな、と言わせた罪悪感

＿＿＿＿それでも、とコートでたたかう幼馴染みを見る

近くで支えてきた2人のバレーを、そのチームを応援したい

もちろん両者共に、応援していたつもりだったけれど

烏野のなかなか落ちないボールに煩わしくなってしまうし、青城がミスれば肩を落としてしまう

2セット目を取られてしまった時は特に息が詰まるかと思ったし、試合を見るのが怖くなったし、手で視界を遮りつつファイナルセットを見届けようかと本気で考えた

でも徹の言葉を信じて、ちゃんと"見て"向き合えば

応援席で見てるだけなのにテンパってる私よりずっと冷静な徹

きっとチームの誰もが徹を信じてる

そこには絶対的な信頼関係があった

ああ、あの時よりもずっと成長したんだ

当たり前のことだけど、なんだかそれが誇らしくて、不思議と不安が拭われた

ふと、徹と目があう

にっと口角をあげて笑ってる

そして直後にびしっと人差し指を私に向けた

と思ったけど。

きゃあっっっと前の座席にいる徹目当てらしき女の子たちが声を上げる

…もしかして私じゃなくてこの女の子たちに向けていたのかも

確かめるために小さく頑張れ、と拳をにぎって見せれば徹は大きく頷いた

よかった、ちゃんと私だ

ホッとした気持ちになり、少し上機嫌になったのも束の間、ファイナルセットが始まる

でもきっと大丈夫

私はギュッと両手を握りしめた