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海と大地のまんなかに ページ4

︎こんな猛暑の中、外で体育なんて溜まったものじゃない。なんて思ったAは、少々遅れて更衣室に来ていた。
そこには、転校生のうち女の子二人がいた。Aが扉を開けると二人は振り向いた。

『もう始まってるよ』

「あ、あなたこそ…」

『私は、暑くて出たくなくて。
それ。』


「え?」

『暑くないの』


まなかが来ている長袖のジャージを見つめながらAは言った。
こんな暑い中ジャージで外にでて活動するなんて倒れるんじゃないか。

「だ、だって、日光でエナが…」

「…まなか」

俯くまなかを凝視した後、Aは更衣室の奥にある窓の縁に手を着いた。
窓から差し込んだ光は彼女のその肌を照らしていく。

『わかるよ』

「もしかして、あなたも…」


「走れぇ!!ちんたら走ってんじゃねぇぞー」

外から体育科の先生が聞こえた。あの先生、典型的な脳筋というかとにかくAが苦手なタイプだった。

「あ、光だ。」


男子は外でランニングで、トラックを周回している。比良平さんの言う先島くんを目で追っているとその先に木原がいた。

「あの人…」

「早いね」


「陸の上を泳いでいるみたい」

先島くんはなぜか目の前にいる木原に目をギラギラとさせていて、必死で走っている。

結果、先島くんが転けた拍子に木原も転倒してしまった。


「何やってんだお前らぁ!!」




〜〜

「あのっ」

転校生たちがやってきてから一日後、A休み時間にちさきは昨日のことで聞きたいことがあった。


『比良平さん』

「そ、そうちさきです。
あの昨日の事なんだけど…、岬さんって汐鹿生の人…なの?」

『汐鹿生……。
私は、別に汐鹿生の人間じゃないよ。なんで?』

「だって、エナが」

『お母さんとお父さんが汐鹿生の人だから。
うち、おばあちゃんもいるから汐鹿生の生活じゃ養えなかったみたい。』

「そうなんだ。
びっくりした。こんな人もいるんだなって。」



ちさきは安心していた。

不安しかなかったのは勿論、同時にずっと四人のままでいたいと思っていた。

地上に上がることで、地上の人たちと関わりを持つことになるから尚更。

だけど彼女の目の前に現れたのはエナをもつ鷲大師の人だった。
地上は地上のような人たちだと一纏めにしていたが、岬Aのような人物を今まで見知ったことがなかったのだ。


ちさきはこの時、岬Aという人物に関心を示したのだと思う。

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

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あかね(プロフ) - 続きまってます!! (12月26日 18時) (レス) id: 247b37eb4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾鷹 | 作成日時:2023年8月4日 15時

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