< 暗殺教室 > 欠月の雲隠レ (ページ9)

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野球の時間 * * ページ9

「にゅやぁ…それは先生、褒められているようで嬉しいですねぇ」

『杉野くんのあの様子だと殺せんせーがなにかアクションをおこしたのかと…、そう思っただけです。』

夕日が差し込む直前の教室でAと殺せんせーは教室で雑談を前と同様にしていた。
最近Aの中でこれが日課になりつつさえあるのだ。

「先生、いつの間にか七峰さんに尊敬されていたんですね…ヨヨヨ…！」

『…ところで先生、手に持っているその縄について説明を願いたいのですが。』

「いやいや！これはですね…」

殺せんせー曰く、生徒が育てた数本の花を先生が引っこ抜いて生徒たちをキレさせてしまったという。
その代わりに殺せんせーを木に吊るして狙いを定めるハンディギャップ大会を開催したらしいのだ。

自業自得なのでは？

「前置きはこれまでとして、七峰さん。」

『…それが本題ですか』

「えぇ、ななみさんが…」

『ごめんなさい殺せんせー。今日は私都合が悪くて、あまり残れないんです。』

「それは…………、それは仕方ないですね。また後日伺いましょうか」

『ええ』

『また明日、殺せんせー』

【⠀都合】これは本当だ。
現に彼女は今、小走りで旧校舎ないの廊下をギシギシと渡っている。
そんな中、ポケットからの着信音がけたたましく鳴っていた。
しかし、それは七峰が手に取ったことによって直ぐに音は鳴り止む。

『――――――しつこい男は嫌われるよ』

～～

七峰Aの家にて。
Aの家庭はいたって普通。特に親が仕事好きで家でほぼ独りだとか、海外出張が多いなどは滅多にない。

なんなら、帰って数時間後には母が帰ってきて、父は夜遅くに帰ってくるなど本っ当にいたって普通すぎる家庭。

少女漫画のように独り暮らし設定などここには無い。

強いて言うなら、母や父との会話が最低限だということだけ。
これはこういう習慣だ。ここでは普通である。

食事を囲む時なんか黙食か、と言うほど。
別にそれが苦しいとは思ったことないし、普通に会話をすることもある。口数が少ないだけ。
流石親子と言ったところか。性格上の問題である(問題ではない)。

Aは学校を帰った後、ある都合を済ませて約19時くらいに家に帰ってきた。

後に夕飯や入浴を済ませたら私はベッドの上で携帯を見ていた。
そろそろ飽きたなと思うところで私の携帯に通知が届いていることに気づく。

『なんで…』

そこには[karumaがAを友達追加しました］と書かれていた。