< 暗殺教室 > 欠月の雲隠レ (ページ8)

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野球の時間 * ページ8

朝の7:50頃。ザアザアと朝日を浴びた樹樹たちが揺れている下で殺せんせーは優雅にアメリカの新聞を読んでいた。

その樹樹の間に二人の生徒が見えた。
潮田渚と杉野友人だ。

「ボームルーム前に校舎裏でくつろぐのがあいつの日課。マッハ20によって買ったハワイのドリンクと新聞で…
お前の情報通りだ、渚！サンキューな」

「うん。頑張れ、杉野」

「おうよ、100億円は俺のもんよ」

杉野の片手にはソフトボールが。
対象物は彼の視点にいる。

今だ、と思い込みフォームを取り、腕を振り、投げた。

『何してるの』

「え？！」

ふと突然渚の後ろから影が現れた。
七峰Aだ。
それに渚はビビり振り向く。

「おはようございます！」

「「え？！」」

「さあ、挨拶は大きな声で！」

「お、おはようございます。殺せんせー」

『おはようございます』

いつの間にか殺せんせーは彼等の背後に立っていた。先生の周りにはわざわざマッハで移動したからか、砂埃がたっているが。
手には杉野が投げたボールをグローブで受け取っている状態である。

「対センセーBB弾をボールに埋め込むとはいいアイデアですね。これなら、エアガンと違って発砲音もない。」

「ですがせんせー、ボールが届くまで暇でしたし、直でボールに触れると殺られてしまいますので、体育倉庫からグローブを持ってきてしまいました。」

「んなぁ！」

「殺せるといいですねえ、卒業までに。さあ、ホームルームが始まってしまいます。早く教室に戻りますよ」

殺せんせーはヌルフフフフ、と緑のシマシマ模様のまま、教室へと背を向けて行った。一人の生徒が落ち込んでいるとは気づかずに。

『…なんか、ごめん』

「七峰のせいじゃねぇよ。俺の…」

「杉野…」
その後、ホームルームが終えてもなお、杉野はソフトボールを見てあからさまに落ち込んでいた。

〜〜

数日後の昼休み、Aは渚と杉野とが校舎の外でボールの投げ合いをしている様子を観ていた。

いつどこで何があったのかよく分からないが、きっと殺せんせーの影響だろう。と、杉野の顔を見て瞬時に悟った。

殺せんせーだろうと何故か確信を持てたのだ。