< 暗殺教室 > 欠月の雲隠レ (ページ45)

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転校生・2の時間 * * * * ページ45

先生はイトナくんに殺られたかと思えば月一の脱皮をしていた。天井に張り付きながら息切れを繰り返していた

「脱皮。そんな技もあったね。でもそれも弱点があるのは知っている」

脱皮はすれば先生自慢のマッハのスピードも下がるという。この期に及んで初めて知る。私たちの知ることが出来ていなかったことをぽんぽんと出されていく

「加えて、最初のイトナの攻撃で腕を再生していたね。それも結構体力を用するんじゃないかい」

さっきまで誰が分からなかった人に知らない殺せんせーのことを言われる。本当に殺せるのでは、という気持ちが芽生える。シロと、イトナくんが殺せんせーを殺す。この事実に私たちはどうにも受け入れ難いように違和感を感じる。

「殺れイトナ。」

シロを合図にイトナくんは自身の持つ触手を殺せんせーにぶつけた。
はずだった。

「こんなところに落し物ですねぇ！」

先生が出したのは生徒たちの持っていたはずの対センセーナイフ。いつの間にと彼らたちが観戦しているうちに盗ったのだ。

「先生の抜け殻で包んだのでダメージはないはずです。でもこれで君の足はリングの外についた。ルールー上にのっとると君は死刑ですねぇ」

さっき先生が使った脱皮をイトナくんに包み、教室の外へと放り投げた。イトナくんのダメージを考慮して。

「生き返りたいのならこの教室で皆と共に学びなさい。性能では測りきれないもの。経験の差です。
この教室で経験を盗まなければ先生を殺すことなど出来ませんよ」

「俺が…弱い？」

殺せんせーがさっきまでとは恐ろしく変わって穏やかに話すもイトナくんは血相を変えて情緒が恐ろしく不安定になっている気がした。また、惜しくもイトナくんの怒りは殺せんせーに向けられている

攻撃をまたけしかけるかと思えば、イトナくんはその場で倒れてしまう

「この子はまだ登校できる状態ではなかったようだよ。転校初日でなんですが、少しの間休学させてもらうよ。」

「待ちなさい。シロさん！その生徒は放っておけません。卒業まで面倒見ます。それとあなたにも聞きたいことが山ほどあります」

「嫌だね。それか、力づくで止めてみるかい？」

そう言うと殺せんせーはシロの方を掴もうと手を出すと着ている服に触れた途端触手が溶けた。これもまた対センセーなのか。その様子を見たシロは気絶したイトナくんを持ち上げ湿気のなか、去ってしまう。
この空気のなか、残ったものは怪訝だけだった。